「農民」記事データベース20051017-704-09

この人

京都の大規模稲作農家 松村 統克さん(61)


特色ある米づくりに励む

 京都府の北部に位置する京丹後市、旧大宮町で十ヘクタール以上の水田を耕作するのは、松村統克(とうかつ)さん(61)。この地域では、一、二をあらそう規模の専業農家です。今年は、台風の直撃も避けられて、まずまずの収量。息子の茂樹さん(29)と稲刈りに忙しい毎日です。

 茂樹さんは、近郊の農業高校を卒業後、九州にある大学で農業を専門的に学び、実家に帰ってきました。農業高校への進学は、「ここしか行かせへん」という、農業を継がせたい松村さんの思いから。親の思いを受け止めた茂樹さんの農業に取り組む姿勢は、真剣そのものです。

 松村さんは、六十五歳を区切りに茂樹さんに経営移譲しようと、機械作業を任せるとともに、農地の受委託などの名義を変更してきました。また、七人の仲間でつくった営農組合で畑地を借り、葉タバコやタマネギなどを作っていますが、タマネギの加工場を建設して東京への出荷を計画するなど、意欲的です。

 農民連の産直米には、八百袋(一袋三十キロ)を出荷予定で、丹後地域では一番。また、京丹後市が今年から始めた「特別栽培米」の助成制度を利用して、米屋さんを通じてはじめて「特別栽培米」を出荷します。独自の米袋を作成し、その名も「京の宮御膳」。松村さんの名前も印刷してあります。

 農民組合京都府連丹後地域センターの志水秀巳さんは、「低米価が続くなか、こうした特色ある米づくりでなんとか通常より高い米価にしていかないと。苦労が続きます」と、話していました。

(新聞「農民」2005.10.17付)
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2005年10月

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