この人都市農業の発展に意欲十分「毎日」全国農業コンクールで優秀賞を受賞した東京・町田の田中仁司さん(57)
東京都町田市で八月十六日、東京農民連町田支部が結成されました。地産地消を進め、新日本婦人の会などとの産直を発展させることをめざしています。支部長に選ばれたのは、野菜農家で農業委員も務める田中仁司さん(57)。生協の協力も得て、NPO法人「たがやす」の設立に尽力しました。「たがやす」は、援農ボランティアの派遣、地場産野菜の普及活動などに取り組んでいます。都市住民の農業参加への意欲を生かすとともに、高齢化・後継者不足に悩む農家の労働力不足を補う役割を果たし、都市農業の活性化に貢献。援農ボランティアには、作業時間に応じた謝礼金と農産物が代価として支払われます。 田中さんは「たがやす」の設立以後、遊休農地を借り受け、耕地面積を拡大し、売り上げを伸ばしてきました。「援農ボランティアのおかげで、労働力不足を補い、規模を拡大できた」と振り返ります。 八王子市在住の合津秀雄さん(63)は、かつてIT関連会社の経営を手がけていました。退職後、趣味と健康維持を兼ねて、援農ボランティアに応募。「退職者を労働力として使わない手はない。有償ボランティアにすることで、責任感が生まれ、規模拡大に貢献しています。後を継ぐ息子さんの代にはさらに規模が大きくなることを望みます」と期待します。 このような取り組みが評価され、田中さんは、毎日新聞社主催の全国農業コンクールの東京代表に選ばれました。七月二十一日に開かれた全国大会では優秀賞を受賞。毎日新聞の社説で「生産者と消費者の相互理解が農業の課題とされる。(田中さんは)消費者による援農という道を開いたのだ。都市農業の労働力不足という悩みを、消費者の支援で乗り越えた」と評価されました。 田中さんは「後継者がやる気の出る農政、自給率向上など農業の課題は山積しています。こうした課題を解決するためにも、都市農業の振興・発展が求められています」と力を込めます。
(新聞「農民」2005.10.10付)
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[2005年10月]
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