総選挙の結果について二〇〇五年九月十四日 農民運動全国連合会会長 佐々木健三
一、十一日に投票された総選挙は、自民党が二百九十六議席を獲得、公明党を加えて小泉自公連立与党が三分の二を超えた。政権交代を訴えた民主党は六十議席以上減らして大敗し、日本共産党と社会民主党は現状を維持するにとどまった。 自民党が多くの議席を獲得した背景には、自民党の郵政民営化を唯一の争点にした「改革をとめるな」というキャンペーンが、国民がいだいている政治への閉塞(へいそく)感を打開するかのような漠然とした期待を広げ、六年間にわたる自公政治への国民の怒りと批判をかわしたことがある。さらに見落とすことができないのは、得票一位の候補者だけが当選し、多数の民意を無視する小選挙区制度の非民主性である。 二、唯一の争点とした郵政民営化について小泉首相は、「公務員を減らして経費を削れる」「税収が増える」というウソとごまかしに終始した。また、消費税・所得税の庶民大増税、憲法九条の改定のねらいを隠し続けた。しかし、これらは新しい国会で問われてくる重大問題であり、今後、国民との矛盾は鋭くならざるをえない。 三、農民連は、緊急に新聞「農民」号外を五十万枚発行し、水より安い生産者米価、野菜などの輸入急増による価格暴落、多数の農民を生産から締め出す「農業構造改革」、郵政民営化に続いて財界がねらう「農協事業解体」問題など、自公の農業破壊政策を暴露し、輸入制限と価格保障の実現など、農民の切実な要求と日本農業を再生する提案を掲げて選挙をたたかった。 私たちの提案や問いかけに党派を超えて多くの農家や農業関係者から共感が寄せられた。農民は小泉自公政治に郵政以外の今後四年間の政治を白紙委任したものではないことはあきらかである。 四、農民連は、行き詰まった自民党政治を転換し、憲法改悪・庶民大増税を阻止するために全力をあげてたたかうものである。 また、広範な農民や農業関係者と共同して、財界の利益を最優先にした農業破壊攻撃をはね返し、食料自給率を向上させ、農民の暮らしと経営、農業生産、農地を守るために全力をあげるものである。
(新聞「農民」2005.9.26付)
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[2005年9月]
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