「農民」記事データベース20050905-698-03

郵政の次は農協解体


それでも自民を支援するのか

 露骨なかたちで政策提言進める

 経済財政諮問会議と規制改革・民間開放推進会議は、いずれも「小泉改革」の戦略推進本部として首相官邸に設置された財界代表・御用学者などで構成される政策提言機関です。

 このうち、宮内義彦オリックス会長を議長とする規制改革・民間開放推進会議は、昨年四月に総合規制改革会議を改組・設置され、財界の意向を踏まえながら論議を重ねています。

 とくに農業分野では、農地問題と農協のあり方問題が最大の課題とされ、農地については「農地転用期待を醸成する諸制度および農地保有主体制限の見直し」、農協については「信用・共済事業等の分離・分割を中心とした農協改革」が、七月二十九日に予定されていた中間報告素案で示されていると報道されています(朝日新聞7月1日付)。

 こうして、株式会社等への農業参入機会の拡大と農地保有制限の見直し、農協の総合事業運営への解体攻撃が露骨なかたちで政策提言されようとしています。

 郵政民営化法案の参議院本会議での審議などの影響から、七月二十九日に予定されていた中間報告公表は延期されましたが、選挙後には、すでに文章化も完了している中間報告が明らかにされようとしています。

 農協中央会長が自民党の刺客で

 ところが、こうした農協改革に名を借りた農協解体攻撃を目の前にしながら、中央はじめ各地の農協組織は相変わらず自民党支援を続けています。その典型事例と言えるのが京都府で、先の知事選挙で自民党現知事に対抗して出馬した農協中央会・会長が、こんどは小泉首相ご指名による自民党の「刺客」として立候補しています。

 この中央会長の所属組織は、ここ数年にわたり、府内農協をつぎつぎと吸収合併しており、労働組合つぶしとセットにした「京都府一農協構想」への非民主的で強引な手法に、多くの農家組合員から厳しい批判の声があがっています。いまの小泉政権の実態をあますところなく表現している人選と言えます。

(Y)

(新聞「農民」2005.9.5付)
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2005年9月

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