「農民」記事データベース20050530-685-12

旬の味


 ♪夏も近づく八十八夜―静岡は新茶期の真っただ中。春先の冷え込みで、今年は例年よりも一週間ほど遅いスタートだ▼新茶収穫は、四月下旬からの二週間ほどに集中している。この間、茶農家は不眠不休で働き続けるのだが、誰一人として疲れた様子はなく、いつも以上に生き生きとし、元気よく駆け回っている。腰の曲がった年寄りも新茶の時期は腰がしゃんとすると言われるが、いったんお茶が終わると患者がどっと押し寄せると、知り合いの看護婦さんがぼやいていた。一年間丹精込めた茶園で新茶を収穫する喜びは、疲労を吹き飛ばし、人を若返らせる力があるのだろう▼そんな喜びも束の間、大手飲料メーカーが自在に操る市場価格は暴落の一途をたどり、安値で買いたたかれている。茶を作り続けたい、しかしこのままでは無理…▼喜ばしいはずの収穫期を暗い雲で覆いつくす市場の在り方に、怒りが込み上げてくる。収穫の喜びを取り戻すためにも、産直運動のさらなる発展が求められている。

(歩)

(新聞「農民」2005.5.30付)
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2005年5月

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