周りの作物に交雑しないか
風評被害で売れなくなる!
新潟で進むGM稲の屋外栽培
不安・危機の声相次ぐ
関連/岐阜で農民運動先覚者の碑前祭
北陸研究センターが説明会
中央農業総合研究センター北陸研究センターは今年と来年の二年間、遺伝子組み換え(GM)稲の屋外栽培実験を計画しています。この説明会が四月二十九日、新潟県上越市にある同センターで開かれ、県内の農家など約百六十人が参加。「誰がその稲を栽培し、食べたいと言っているのか」「風評被害に対してはどう対応するのか」「農繁期に説明し、すぐ作付けではアリバイづくりだ。もっと時間をかけて説明すべき」など、反対意見が相次ぎました。
北陸研究センターが開発を進めるこの稲は、品種「どんとこい」に、病気に強い野菜のカラシナの遺伝子を導入。いもち病など複数の病気に抵抗性があるとされます。同センターは、農水省、環境省の承認を得られれば、四アールの実験ほ場で五月下旬から苗の移植を始める予定です。
農家が最も危惧(ぐ)するのは、このGM稲が、センターの周りで栽培されている稲やその他の作物と交雑すること。また、風評被害が広がって、新潟のお米などが売れなくなることです。
こうした懸念に対して北陸研究センターは、「作付時期をずらし、開花を遅らせるので周りには影響しない。風評被害には負けずに取り組む」などと説明。しかし、とうてい参加者の理解を得られるものではなく、説明会は予定の時間を一時間以上も超過しました。
同センターは、今後も意見を聞く場を設けていくとしていますが、作付けは計画どおり進める方針です。新潟県農民連は、県内の様々な団体と共同し、農家や消費者の合意なしでは計画を実施しないよう、県や農水省への要請をはじめ、運動を強めています。
(新潟県農民連 鈴木亮)
「思い出集」を配布
新緑もえる五月八日、農民運動先覚者の碑前祭が、岐阜市岩戸公園内で開かれました(写真〈写真はありません〉)。昨年は創立二十五周年を迎えて、遺族会有志による「親たちの思い出集」が出版され、出席会員に配られました。
終了後の懇親会では、立派な足跡を残した先輩たちをしのび、思い出話に花が咲きます。もっと多くの仲間に呼びかけ、戦前に命をかけた先輩がいたことを学び、運動を広げることを申し合わせました。
(岐阜農民連 岩田昭)
(新聞「農民」2005.5.30付)
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