「農民」記事データベース20050523-684-12

旬の味


 娘の子どもは、私たちの初孫で一歳三カ月になる。わが家に来ると、自分より大きなジョウロを持ってハウスに行き、トウモロコシの苗に水をやるしぐさをする。「ジージ、ジージ」と、おじいちゃんを真似ているのだ。そんな時、疲れもふっ飛び、しばし幸福感を味わう▼孫と遊びながら、ふと生前の父のことを思い出した。小学生の時、自分の名前の由来を聞いたことがある。父は「お前は終戦直後に生まれたので『すみ子』と名付けた。小さくてとても育たないと思ったが、必死に泣くのを見て、母乳が出なかったので馬を牛と交換してもらい、牛乳で育った」と話してくれた。その時は「もっとよい名前を付けてほしかった」と言った記憶がある▼空襲と食糧難のなかで生まれた私と同じ年の人口は、他の世代と比べて少ないのだそうだ。今では親の気持ちがよく分かり、この名前に愛着がある▼孫には絶対に戦争を体験させたくない。そのためには憲法九条を守らなければ。私の町にも「九条の会」が発足した。

(す)

(新聞「農民」2005.5.23付)
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2005年5月

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