「農民」記事データベース20050523-684-10

お茶摘み交流会

静岡・藤枝市 生産者と消費者・学生集う

関連/苗場保育園が市の認定園に 横浜


山菜採り そば打ち 茶もみ

 無農薬茶の会は、四月三十日と五月一日の両日、静岡県藤枝市の元保育園「やまびこスペース」で、二十九回目となる「お茶摘み交流会」を開き、県内外から八十人が参加。親子連れなど、おとなから子どもまで、生産者と消費者がともに食べ、語り、笑い合って、交流を深めました。

 今回も農業問題にかかわるゼミやサークルの学生も参加。二十年以上にわたって参加している日本大学生物資源科学部の農業問題研究会からは八人が、茶摘みなど貴重な体験をしました。水野如美さん(三年)は「大学の敷地内で、イチゴ、ジャガイモ、トウモロコシなどの作物を一年中栽培しています。勉強会を定期的に開き、学部祭で調べたことを発表しています」と紹介します。

 東京農工大学の農業生物学研究会は四人が参加。岩本泰史さん(三年)は「研究会として十数年来参加しています。週一回の勉強会と、学校内の畑で野菜などを作っています」と語ります。

 初日は、やまびこスペース周辺の山菜採りから始まりました。「百人分が食べられるように、花や草、何でも摘んでください」。生産者の杵塚敏明さんの案内で、参加者は、アザミ、イタドリ、セリなどを袋いっぱいに採っていました。

 山菜採りの後は、茶の手もみとそば打ち。最初はぎこちなかったのが、次第に慣れた手つきに。新鮮なお茶の香りを漂わせながら、そばを手でこね、伸ばし、ていねいに切ります。

 月刊「茶」の元編集長で農業経営コンサルタントの中澤久志さんが「食と農をめぐる最近の問題を考える」というテーマで講演。「食料の自給を大切にし、農業・農村の維持をみんなで考えなければならない」と警鐘を鳴らしました。

食べて 笑って 語った

 山菜の天ぷらや鳥、タケノコ料理が並び、各人が持ち寄った地酒をくみ交わし、大いに食べ、語り合った夜の交流会。生産者と参加者による個性あふれる自己紹介で、大いに盛り上がり、親交を深めました。

 二日目は、いよいよ茶摘み。軽トラックで山の上の茶畑に向かいます。新芽を一つ一つ、ていねいに摘み取りました。「生産者と交流できてよかった。子どもたちが自然体験を積むのは大事なこと。農家の話はいい刺激になりました」と話す日大の人見晋輔さん(三年)は将来、農家を継ぐ予定です。

 主催した、生産者の杵塚歩さんは「毎回、消費者の顔を見るのが楽しみ。住んでいる環境の違う人たちが、農業や食の考え方をぶつけ合い、いろんな世代の人々が一つになる場になりました。次回は子どもの参加を広げたい」と来年に目を向けていました。


苗場保育園が市の認定園に 横浜

山形庄内産直センター 開園式にお祝いモチつき

 山形・庄内産直センターがお米を産直している横浜市の苗場保育園(馬場薫園長)が、市の認可を受け、認可保育園として新たなスタート。四月二十四日の開園式には、産直センターの生産者もかけつけ、お祝いのもちつきをしました(写真〈写真はありません〉)。

 「この間、横浜市は認可保育園を増やしてきましたが、この措置も今年度限り」とのこと。青木マリ子先生は「今年度中に仲間の園も認可園にしたい」と言います。私たち農家の現状とも重なり、「教え合い、学びあい、共育ち」する保育園の姿が、いっそう大きく感じられました。

(庄内農民センター 菅井巌)

(新聞「農民」2005.5.23付)
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2005年5月

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