「農民」記事データベース20050523-684-08

凶作と米価暴落を乗り越えて

今年の米づくりにかける

秋田県農民連委員長 佐藤長右衛門


 やっと秋田にも春がやってきた。今年は二週間も遅い雪解け。白銀の世界から、黒々とした大地へ、季節の移ろいに感動する。そしてまもなく始まる、にぎやかなエンジ音のこだまする春耕に思いをはせる時、今年も思いっきり米をつくるぞとファイトがわいてくる。

 昨年は、台風による潮風被害でまさかの凶作。加えて「米改革」による米価暴落という二重パンチが暗い影を落とした。

 農民に降りかかるこの苦難をどうはねかえしていくのか。いま正念場といえる。みんなで自分たちの米の販路を探し、共同の精神で農業を守っていこうと、「農業法人・ほくほく産直秋田」を立ち上げた。

 綿密な栽培計画をたて、どんな天候にも即応できるよう、稲の生理をよく飲み込み、生育をしっかり観察して、職人技といわれる米をつくろう。消費者から喜ばれる、安全で安心、おいしい米づくりに全力を傾けよう。

 先日まいた種籾(もみ)がいっせいに芽を出した。わくわくした。大自然のいぶきとともに悠々と耕すことを心に決めた。

(新聞「農民」2005.5.23付)
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2005年5月

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