「農民」記事データベース20050516-683-18

旬の味


 新緑の山野を風に乗って郭公(カッコウ)の声が渡ってゆく、のどかな五月晴れのなかを黙々と田植えをする光景には心が和む。この国の原風景がそこにある▼“人の世や山の上でも田植うた”は一茶の句だが、合併にともない山村の学校や保育所が人々の暮らしとともに、またひとつ消える。今は“人の世”ではなく“金の世”なのである▼年老いた農民のほとんどは国民年金でそこに農業年金が加わる人はわずかに過ぎない。その年金受給額は二つ合わせても年百万円に満たない。今度の法改悪では、介護施設の入所者の大幅負担増もねらわれている。百万円では老後の施設には入れない▼かつて町や村の農業委員会は農業の振興とともに、そこに住む老若男女の問題に目を向けた。しかし今は法人化や水田再編対策など政府の政策の片棒を担ぐものが多い。農民の利益代表として、今こそ農業委員に農民連が打って出るときである。七月に行われるすべての農業委員選挙に、農民連の候補者がいっせいに声をあげる壮観を…

(新)

(新聞「農民」2005.5.16付)
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2005年5月

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