「農民」記事データベース20050516-683-15

房総の米どころ

千葉・野栄町から田植えの便り


 千葉県東部に位置する野栄町の栄(さかえ)営農組合(及川重幸組合長)で田植えが始まりました。四月中旬から、まずは「ふさおとめ」、次に「あきたこまち」、そして「コシヒカリ」へと続きます。

 ぽかぽか陽気が続き、田んぼの持ち主の熱田博信さんと田植え機オペレーターの加瀬安男さん、他にアルバイトの青年が四人加わっての田植え作業です。

 栄営農組合は、六八年に農機具利用組合として発足。めまぐるしく変わる農政にほんろうされましたが、昨年、農事組合法人として再出発。トラクター・育苗・ライスセンター・管理の四部門を設立し、理事六人を含む九人の組合員で運営しています。

 耕作面積は、組合員の所有田が約四十ヘクタールと、そのほぼ同面積の請負田。順調なら八月には稲穂が黄金色に染まり、お盆明けの第一陣は、農民連の準産直にも出荷します。

 「将来は玄米の販売だけでなく精米事業やみそなどの製造・販売も目指したい」と熱田さん。アルバイトの一人、内田裕輔さん(20)も「農業は嫌いじゃない。周年で仕事があれば、ここで働いてみたい」と語ります。

 その一方で、農家の気持ちを重くしているのは米価。「なにも二万円の米価を望んではいない。翌年につなげられる価格が肝心なだけ。しかし、こう安くては…」と加瀬さんは言葉を濁します。

 豊かな実りをもたらす農地も、農家の意欲もありながら、それを阻む意図的に仕組まれた米価の暴落。農民連の出番の時だと強く思いました。

(千葉県農民連 飯尾暁)

(新聞「農民」2005.5.16付)
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2005年5月

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