「農民」記事データベース20050516-683-13

甘くて香り抜群 イチゴ「純ベリー2」

東京農民連が普及へ


 甘くて香りよく、実もしっかり、しかも栽培しやすい――こんな優れたイチゴの新品種があるのをご存知ですか?

 八王子市の農民連会員山口照男さん(59)が育種した「純ベリー2」。東京農民連は、このイチゴを普及し、東京の特産品にとはりきっています。

 「純ベリー2」の最大の特徴は、温度・日照に関係なく開花する四季性品種であること。だから余計な労力や資材を使わずにコンスタントに実を成らすことができます。

 イチゴは、最も栽培が難しい作物に数えられます。気温が下がり、日照時間が短くならないと花芽をつけないため、十、十一月に収穫するには、温度・日照を人為的に操作しなければなりません。

 でも、「『純ベリー2』なら、こうした手間や設備は不要で、自分の作型、労働力に合ったやり方で栽培できる」と山口さん。新聞「農民」が四年前に紹介したところ、全国から苗の注文・問い合わせがあったそうです。

 そして昨年、八王子市でも待望の栽培農家が増えました。久保良政さん(54)です。久保さんは、イチゴ栽培は初めてです。

 東京農民連は産直ボックスを利用する新婦人会員に紹介。「こんなにおいしいイチゴ、何で早く紹介しなかったの」といった声も寄せられました。また、農民連全国大会のレセプションへの出品がきっかけで、高田馬場駅前の「ナチュラルトムズ」も扱いました。

 東京でイチゴ栽培が普及しない背景には、専門的な知識を持った普及員や営農指導員が少ないという事情も。しかし久保さんは「山口さんという先輩がいて心強い」と。東京農民連の武山健二郎理事は「作る農家を増やしながら、普及のための施策を行政に求めていきたい」と語っています。

 ※「純ベリー2」苗の注文・問い合わせは、東京農民連産直部準備会=TEL・Fax0426(35)0980まで

(新聞「農民」2005.5.16付)
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2005年5月

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