「農民」記事データベース20050516-683-11

詩(ポエム)

関連/佐原の里は春真っ盛り


太 陽 を と れ

熊 谷 克 治

君ら
十勝の子どもたちは

ピチョピチョ冷たい雨の中で
くさった青い麦をにぎり
「太陽がほしい」と泣くのはよそう

太陽がなければ太陽をとれ
人間は自然の奴隷ではない
太陽は科学の中にある

君ら
十勝の子どもは

おもちもなければ晴れ着もない
ごしょいもだけの正月でも
「おめでとう」と元気にいおう

太陽がなければ太陽をとれ
人間は自然の奴隷ではない
太陽は智恵と力の中にある

君ら
十勝の子どもたちは

太陽を失った大地の上で
からっぽの豆ざやが霧にぬれても
「百姓はだめだ」と泣くのはよそう

太陽がなければ太陽をとれ
人間は自然の奴隷ではない
太陽は政治の中にある

君ら
十勝の子どもたちよ

キラキラ今朝の新雪の中で
冷害の暗い暦を引きさいて
新しい明日にむかって叫ぶのだ

太陽がなければ太陽をとれ
人間は自然の奴隷ではない
太陽は人間の中にある

太陽はみんなの中にある


先日、NHKで「新日本紀行ふたたび 幸福への旅・帯広」が放送され、ふと思い出した詩です。1964年、北海道・十勝地方は大冷害に見舞われ、農民組合は生活保護申請の取り組みを起こしました。しかし警察は、その農民を片っ端から詐欺罪で逮捕し、起訴。農地・自宅という資産を持っているのに生活保護を求めるのは国費の詐取行為だというのです。このたたかいは、後に「判決」という有名なテレビドラマにもなりました。

 自然と政治にほんろうされながらも、日本のどこよりも豊かで自立した農業が営まれている十勝には、こういう歴史があります。私は、この年になってあらためて「十勝っ子」であったという意味をかみしめています。

(佐藤博文)


佐原の里は春真っ盛り

 福島市で開かれた「直売所交流会」に参加した折、ご当地の佐々木健三会長宅にお邪魔し、山菜や手作り豆腐、笹巻、そして自慢の牛乳などをみんなでごちそうになりました。若葉が芽吹き、田植え準備にいそしむ農家の姿。福島市佐原(さばら)の里は春真っ盛りです。納屋の脇に可憐(かれん)に咲いた水仙をパチリ。
(笹)

(新聞「農民」2005.5.16付)
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2005年5月

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