「農民」記事データベース20050516-683-08

“ふくしまの米と田んぼ守ろう”

福島農民連・同産直農協が討論集会


生産者、消費者、行政も参加、活発に

 福島県農民連と福島農民連産直農協が主催して、「ふくしまの米と田んぼを守る討論集会」が四月二十三日、二本松市の県男女共生センターで開かれ、約百人が参加しました。

 根本敬・県連事務局長がスライドを使って問題提起を行ったあと、前県農林水産部総括参事の永石正泰さん、JA福島中央会農業対策部長の中島精一さん、コープふくしま理事の松本美恵子さん、福島地区米卸理事長の高橋一夫さん、そして全国農民連米対策部の横山昭三さんが、米と田んぼを守るためにどうすればいいか発言。参加者から質問や意見も出され、活発な討論集会となりました。なお、三保恵一・二本松市長があいさつしました。

 『米改革』いっしょに考えよう

 根本さんは「政府は超古米の在庫をドンドン売りさばき、処理できない大量の外米をかかえている。『米改革』では、米と田んぼがつぶれてしまう。その中で福島県産の米は『米ビジネス=市場原理』で厳しい条件にさらされている。これは農家だけでは解決できない。どうすればいいのか、いっしょに考えよう」と提起しました。

 これを受けて、永石さんは「福島県はあらゆるものが作れ、十分な生産力を持っている。その条件を生かして、どう作りどう売るかが問われている」と発言。中島さんは「市場原理のなかで米価が将来上がるとは想定できない。集落営農など持続可能な米づくりをどうめざしていくのか」と厳しい現状とJAのめざす方向を報告しました。

 また松本さんは、「自然にやさしい米づくりをしている農家と交流を深め、農業の厳しい現実を実感。『備蓄がなくなったら外米を食べるか』とのアンケートは、ほとんどが『ノー』。消費者はそうならない政策を願っている」と訴え。高橋さんは「卸業者が集まるとまず倒産の話。卸がだめになれば小売店もだめになる。農民連の準産直米に生きる希望が」とそれぞれの立場から現在の米問題を話しました。

 横山さんは、「政府の『米改革』は初年度から破たんが明白に。農民連が進める準産直米は、農家の思いを消費者に届けるもの。日本ほど米を粗末に扱う国はない。農家を米づくりから追い出す農政を転換しよう」と呼びかけました。

(新聞「農民」2005.5.16付)
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2005年5月

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