「農民」記事データベース20050516-683-05

中国で未承認GM(遺伝子組み換え)稲流通

環境団体調査 日本に輸出の可能性も


 中国湖北省で、安全性が確立されていない遺伝子組み換え(GM)稲が栽培され、市場流通していたことが四月十四日までに、環境保護団体グリーンピースの調べでわかりました。グリーンピースは中国政府にたいし、ただちに未承認のGM稲を回収し、汚染原因を調査するよう求めました。

 グリーンピースによると、今回発見されたのは、殺虫性をもつBtたんぱく質を組み込んだBt稲で、それが産出する毒素がアレルギー性疾患を引き起こす可能性があります。生態系への影響や食品としての安全性についても評価されていません。日本は中国から、ここ二、三年、八万から十二万トンもの米を輸入しています。

 グリーンピースは、米の種子と米粒、米粉を種子供給業者、生産者、卸売業者、小売業者などからサンプルとして集め、検査したところ、十九検体から組み換えDNAが検出され、うち二検体はBt稲でした。

 農民連も参加する「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」(天笠啓祐代表)は十四日、政府に(1)中国からの米輸入をただちに停止する(2)中国から日本に入っている米にGM稲が含まれていないか検査を行い、公表する(3)中国政府にたいして、栽培の実態調査、環境への影響調査、回収を求める(4)中国にたいして二度とこのような事態が起きないように要請する―ことを求めました。

 中国政府にたいしても(1)日本への米輸出をただちに中止する(2)栽培の実態調査、環境への影響調査、回収を進める―ことなどを要請しました。

 島村宜伸農水相は十五日、「中国側の国営輸出企業から、問題とされた地域からの米輸出の実績はないという連絡を受けている」とのべました。厚生労働省は、輸入する中国産米にGM米が混入していないか検査を始めることを決めました。

(新聞「農民」2005.5.16付)
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2005年5月

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