ふるさとネット1支部1直売所めざして初の全国直売所交流会
みんなの知恵と力で築き上げて「地産地消で地域から自給率の向上を」―農民連ふるさとネットワークは四月二十四、二十五の両日、福島市で「直売所交流会」を開きました。全国的な直売所交流は初めてのこと。十三県から二十四団体、五十八人(うち女性が二十二人)が参加。福島県農民連の「産直カフェ」やJA新ふくしまの直売所を視察し、消費者と結びつく工夫や魅力ある品ぞろえなど、各地の経験を交流しました。はじめに、農民連ふるさとネットワークの中津孝司事務局長が、「いまなぜ直売所か、一支部一直売所の開設めざして」と題して問題提起。「地産地消の中心となっている直売所は、農業版『構造改革』への対抗軸であり、規模を問わず『みんなが担い手』になれる活動の場」と指摘。「モノの結びつきにとどめず、作る生産者と食べる消費者との結びつきをみんなの知恵と力で築き上げていこう」と呼びかけました。 続いて、福島県農民連の根本敬事務局長と「産直カフェ」の佐々木健洋さん(前店長)、赤井初江さん(現店長)が、「産直カフェがめざすもの、そしていま」について報告。また岩手・西磐井農民組合の柴田純一さん、ふるさとネットワーク東海の吉川利明さん、紀ノ川農協の松本和広さんが、それぞれに取り組んでいる直売所の現状や今後の活動を紹介しました。
各地の経験だしあう柴田さんは、岩手県一関市で開いている朝市を紹介。「いっぱい買ってもらった人には宅配もして喜ばれている。おいしかったよ、と言われればまた作ってみようとやる気が出る。農家どうし反省会もしながら、元気を出してがんばりたい」と発言。東海ネットは、生協の店舗閉鎖を契機に、元生協組合員さんと共同して週二回「ファーマーズ生鮮市」を開設。吉川さんは、「地域にとってなくてはならない直売所になり、生産者も出荷を通じて元気に。だれの農産物がどれだけ売れてどれだけ売れ残ったのかというデータも公表しながら、出荷を促進している」と述べました。
絵手紙教室などもの売る以外もまた松本さんは、紀ノ川農協の直売所「ふうの丘」の取り組みを報告。開設して四年目、年間の来客者十万人、年間売り上げ一億六千万円に発展しています。土曜・日曜に集中する来客者への対応やみかんの外売り販売、試食の工夫、冷蔵庫での管理方法などきめ細かな運営を行い、写真展や絵手紙教室などモノを売るだけではない活動も。松本さんは、「こちらの構え次第で十分やっていける」と述べました。会場からは、岡山県農民連の黒岡秀幸さんが直売所「朝どり野菜」の活動について、福島県桑折町の大槻重吉さんが直売所出荷に励む農家の取り組みについて発言。質問が出されるなど熱心な討議が行われました。 中津事務局長はまとめで、「今後、全国的な実態調査をおこない、産地マップの作成などを通じて直売所の開設を後押ししたい」と述べました。
(新聞「農民」2005.5.16付)
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[2005年5月]
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