「農民」記事データベース20050516-683-01

シリーズ直売所 北から南から

福島 産直カフェ

魅力ある品ぞろえ 地域の人たちが集う場に


スタッフの笑顔が橋渡し

生産者の“こころ”も供給

 福島駅からひとつ隣にある南福島駅。ここから歩いて五分、大きな工場の向かい側に産直センターふくしまの農産物直売所「sanchoku café(産直カフェ)」があります。約八十坪の元ビニール加工場を五百万円かけて改修、二〇〇三年八月に開設しました。

 営業時間は午前十時から夕方六時まで。百三十六人の農家が出荷、自分で自由に価格を設定して、売れ残れば翌日引き取りが原則です。

 店内に入ると、わらびやうこぎ、こごみなどの山菜が目に飛び込んできます。かけてある緑色のフラッグには、「私たちには夢がある。農民が日本の大地にしっかり立ち、農業に打ち込む。日本の農民が育てた食べ物をしっかりうけとめ、平和で美しい豊かな日本とともに、たたかいとる仲間が日本中に広がることを」との理念が書き込まれています。

ねだんは自分で自由に

 明るい店内には旬の野菜や果物、季節の花、今年で六年目になる「大豆の会」のしょうゆや豆腐、平飼の卵、数種類の米(精米機もある)、漬物、無農薬茶、竹炭など百品以上の農産物・加工品が並びます。そして、お客さんと生産者をつないでいるのは、笑顔がたえない四人の女性スタッフ。三月の来客数は三千五百人を超え、売上高も四百五十万円に。多い月には四千人、六百万円近くにもなります。

 福島県農民連の根本敬事務局長は、「立地条件がいまひとつで経営は厳しいが、単に農産物を売る施設ではなく、地域の人たちが集う場、『もの』と『こころ』を供給する空間にしたい」と話します。店長の赤井初江さんは、「最初はお客さんのクレームにビクビクしていましたが、言ってくれるだけ親切。いまはそうしたお客さんの声がいかに大事かわかるようになってきました。生産者と消費者、地域の人たちが自然と集う場になり、私たちがその橋渡しになれば」と、毎日の品数を心配しながらがんばっています。

(新聞「農民」2005.5.16付)
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2005年5月

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