草の根の基地反対闘争 展望みえた沖縄 全国基地活動者会議「日米両政府が進める米軍基地の『再編・強化』のねらいと実態がよくわかった」「草の根で基地反対闘争に取り組む全国の仲間に励まされ、展望が見えてきた」――四月二〜四日、沖縄で開かれた「全国基地活動者会議」は、十九都道府県、十四中央団体、百五十人が集まり、農民連からも参加しました。
下地島空港への自衛隊誘致青年パワーが撤回させる「再編強化」反対の国民的世論を全労連の西川征矢副議長が開会あいさつで「四月一日、ファルージャで市民を虐殺した米海兵隊がイラクから帰還。住民は、小鳥のさえずりが聞こえる日々だったのに、と怒っている。米軍基地『再編・強化』に反対するたたかいを大きく広げよう」と訴え。また、名護市・辺野古のヘリ基地反対協議会の大西照雄さんは「ジュゴンなど、多様な生物が息づく辺野古沖の環境を守る取り組みと平和運動が一つになり、県民の共感を得ている」と述べ、移設計画撤回への決意を表明しました。早坂義郎・安保破棄中央実行委員会事務局長が、主催者を代表して問題提起。「米軍基地が日本を守るのでなく、アメリカの海外侵略の拠点基地であることが明確になった。『再編・強化』反対の国民的な運動と世論をつくっていこう」と強調。国際問題研究家の新原昭治氏、日本共産党の佐藤三男・基地問題対策委員会責任者が特別報告を行い、基地反対の流れを国民の多数派にする条件と可能性が広がっていることを明らかにしました。 また、荒垣繁信・沖縄統一連代表幹事、赤嶺政賢衆議院議員が連帯のあいさつをしました。 各地の報告で感動を与えたのは、沖縄・宮古島の上里清美さん。「民間パイロットの訓練用に建設された下地島空港の軍事利用を許さない」と住民が立ち上がったことを生々しく報告しました。 空港は、伊良部町の下地島にあります。町議会は三月十六日、突然、自衛隊誘致決議の採択を強行し、賛成九、反対八で可決。町民の怒りは一気に爆発し、青年たちは「おじい(祖父)から受け継いだ土地を軍隊のために使わせていいのか」と話し合い、誘致派議員に詰め寄りました。 誘致派議員は「住民の過半数が反対するなら決議を取り消す」と回答。しかし、説明会まで三時間半しかありません。青年たちは、携帯電話や防災無線、宣伝カーなどで必死に訴え、六千六百人の島民のうち三千五百人が説明会に集まりました。 参加した島民は「自衛隊の使用イコール米軍の使用だ」などと誘致に反対。翌日開かれた臨時議会では、決議撤回を決める採択が行われ、賛成十六、反対一で可決しました。 上里さんは、「伊良部には反対運動の先頭に立つ人がおらず、『何を考えているのか?』とジリジリする思いだった」そうですが、「島の人が立ち上がった」ドラマチックな展開と住民パワーに励まされ、「確信を持った」と発言しました。
各地の粘り強いたたかいを交流全国各地の基地問題のたたかいも交流。市民ぐるみで米陸軍司令部の移転に反対している神奈川の座間や相模原、池子をはじめ、山口の岩国、長崎の佐世保、北海道、東京、東富士、愛知などの取り組みが報告されました。また、民医連は、辺野古の座り込みに職員を派遣している活動を紹介。二日間で三十三人が発言し、乾友行・安保破棄中央実行委員会事務局次長は、「基地問題を難しくせず、安保を正面から問いただして幅広く訴えていけば、国民的なたたかいに発展する可能性がある」と強調しました。
基地撤去・建設反対の闘争を激励会議終了後の四日、参加者六十五人は、普天間基地撤去と、金武町伊芸区の都市型訓練施設、名護・辺野古沖への新基地建設に反対している地元住民を訪問し、交流と激励を行いました。普天間では伊波洋一・宜野湾市長、伊芸区では池原正文区長、辺野古ではテント責任者の当山栄さんらが対応し、運動の状況を説明しながら、思いや怒りを表明。参加者は、カンパや寄せ書きを贈り、「基地撤去までともにたたかいましょう」と激励しました。
創意的な闘争の発展に深く確信三日間の会議と行動を通じて、米軍再編のみならず、憲法改悪や消費税大増税、BSEの問題でも、背景にアメリカの押し付けがあること、全国で創意的なたたかいが巻き起こっていることを実感。改めて確信を深めるとともに、統一した運動が求められていると感じました。(上山興士)
(新聞「農民」2005.4.25付)
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[2005年4月]
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