「農民」記事データベース20050418-680-16

旬の味


 日中の暖かい日差しを受け、すぐそこに春の訪れを感じる。わが家は、かなり徹底した自給飼料主体で酪農を営んでいる。春から晩秋までは牛たちを放牧するが、冬の間は過酷な肉体労働を強いられるため、この時期は特別な思いで心が躍る▼あと一カ月もすると、この労働から開放され、牛たちは広々とした大地で草を食む。毎年、同じことの繰り返しだが、天候にも左右され、草地管理の難しさに試行錯誤する。大自然と牛たちが、私を鍛えてくれたと、そんな気がする▼笑ってくださいとばかりに書くのであるが、私は虫が大嫌いでミミズがいるとすぐ騒ぐ。それが克服されつつある。生命の源は土にあると、牛たちが教えてくれた。健康な土でなければ、健康な草は育たない▼人の食にも関心を持つようになり、「医食同源」「身土不二」…なるほどと思うようになった。だからこそ、これほど食料を外国に依存していいのだろうかと思う。食料自給率の向上には、輸入穀物を多給する酪農・畜産を改めることも必要だ。

(江)

(新聞「農民」2005.4.18付)
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2005年4月

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