牛肉輸入再開へあの手、この手…大手外食業界
新「基本計画」から「食の安心」を削れと、企画部会で主張したのは、日本フードサービス協会会長の横川竟(きわむ)氏。同協会は、約八百社の加盟企業を抱える、いわば外食業界の“経団連”。吉野家など大手牛丼チェーンも加盟し、協会をあげてアメリカ産牛肉の早期輸入再開を求めています。 右手で農政の基本方向から「食の安心」を引きずり下ろし、左手で危険なアメリカ産牛肉の輸入再開を求める――これが大手外食産業の実態です。 アメリカは、三月末に発表した「〇五年版貿易障壁報告書」で、牛肉問題を「政権の最優先課題」と位置づけ、即時再開に向けて「あらゆるレベルで圧力をかけ続ける」と強調。さらに、「部分再開から六カ月後には、より通常の貿易に戻る方向で見直す」と、輸出可能な牛の月齢を三十カ月に引き上げるよう求めていく方針です。 しかし、「日経」(4月4日付)の世論調査によると、アメリカ産牛肉の輸入停止で困ったことがあるかとの問いに、八五%が「ない」と回答。また、牛丼を食べられなくなったことに対して「最も責任があるのは?」との質問は、ズサンな基準をゴリ押しするアメリカ政府(56%)、アメリカ産牛肉にしがみつく大手牛丼チェーン(29%)という結果に(図)。「アメリカ産牛肉ノー」の声は、ますます大きくなっています。 自国のズサンな安全対策を棚に上げ、高圧的な姿勢で解禁を求めるアメリカ。「食の安心」をないがしろにし、アメリカを利する大手外食産業。「食の安全・安心」を願う国民にとって、二つの敵は鮮明です。
(新聞「農民」2005.4.18付)
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[2005年4月]
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