旬の味
五月になると、大阪南部の泉州路は“ねぎ秋”といわれるタマネギの収穫期を迎える▼泉州はタマネギの発祥の地。栽培が始まったのは一八八五年(明治十八年)。最盛期の一九六〇年には、作付面積四千ヘクタール、生産量十三万トンを超えていた。ところが二〇〇二年には、百五十八ヘクタール、八千三百トンと激減。いま存亡の危機にある▼なぜ、ここまで衰退したのか。たしかに他府県産地が増えたこと、農家の高齢化が進んだこともある。しかし最も大きな原因は、輸入自由化の大波を受けたこと。超安値の輸入タマネギの激増による国内産の価格破壊だ▼財務省の統計でも、〇三年の年間輸入量は二十四万トン、輸入平均単価は一キロ二十八円という超安値。国内産の市場動向を左右する五月をねらってなぐりこみをかけてくる輸入タマネギの大攻勢―これががんだ▼政府がセーフガードを発動し、せめて一キロ百円の価格を保障すれば、泉州のタマネギ生産はよみがえるのに! はがゆさと怒りの複雑な思いで迎える泉州路の“ねぎ秋”は近い。 (西)
(新聞「農民」2005.4.11付)
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[2005年4月]
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