「農民」記事データベース20050411-679-05

米国産牛肉の輸入再開問題 決議を全会一致で採択

“国民に再び不安与えるな”

衆院農水委

関連/全国の自治体で次々意見書採択


 衆院農水委員会は三月三十日、アメリカ産牛肉の輸入再開問題について「万が一にも、拙速な輸入再開により、再び国民の食生活に不安を与えることがないよう」求める決議を全会一致で採択しました。

 同決議は当初、アメリカのライス国務長官の来日前に予定していましたが、公明党の反対で持ち越されていたもの。政府がアメリカの不当な圧力に屈することがないようクギを刺しています。

 アメリカ通商代表部(USTR)が同日発表した「〇五年版貿易障壁報告書」は、日本に対する記述の中で、牛肉問題を「政権の最優先課題の一つ」と位置づけ、即時再開に向けて「あらゆるレベルで圧力をかけ続ける」と強調。さらに、「部分再開から六カ月後には、より通常の貿易に戻る方向で見直す」と述べ、輸出可能な牛の月齢の引き上げなどを求めていく方針を示唆しています。

 アメリカがこうした方針を公然と掲げているだけに、外圧に弱い小泉首相が安易な妥協をしないよう、「アメリカ産牛肉の輸入再開はやめろ」の世論をさらに高めていくことが求められます。


全頭検査の堅持、米国産牛肉輸入禁止の継続

全国の自治体で次々意見書採択

 全頭検査の堅持とアメリカ産牛肉輸入禁止の継続を求める意見書が、北海道、長野県、岐阜県、千葉・白井市、岐阜の下呂市や高山市など、全国各地で採択されています。

 長野県議会が三月二十三日に全会一致で採択した「BSE全頭検査の継続を求める意見書」は、県食健連が陳情したもの。「全頭検査の見直しは、消費者の不安を増大させ、そのことによる牛肉消費の低迷は、国内生産にも多大な影響を与える懸念がある」と指摘。「現行検査体制を継続するとともに、アメリカで日本と同様の措置が講じられるまでの間、アメリカ産牛肉の輸入禁止を継続するよう」求めています。

 白井市議会は二十五日、「現行BSE対策の堅持と牛肉輸入に性急な政治決着を図らないよう求める意見書」を賛成多数で可決。「政治的配慮から輸入再開を急ぐとすれば、食の安全を求める国民の合意を得ることは難しい」と断じています。同意見書は、日本共産党の鳥飼博志市議が提案し、民主党や無党派市議、保守会派の一部が賛成。公明党は反対しました。

(新聞「農民」2005.4.11付)
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2005年4月

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