「農民」記事データベース20050404-678-16

旬の味


 “グワーン”と、静かな山間に突然鳴り響くごう音。作業の手を休めて音のする方を振り返ると、茶畑の中の防霜ファンが勢いよく回転している。近づく新茶期に向け、ファンの点検だ▼農作業をしながら各地の情報やニュースを提供してくれるラジオは、私の仕事中の友であり必需品だ。先日もいつものように耳を傾けていると、昨年の荒茶生産量が発表された。全体では八%アップ。好調かと思いきや、内訳を聞いてがく然とした▼一番茶は悪天候の影響もあり六%減。反対に安価・低品質で緑茶ドリンクの原料となる二番茶は七%、三番茶は三七%、四番茶は五〇%増と過去最高。茶農家の収入の八〇%は一番茶に支えられている。お茶ブームで笑うのは茶農家ではなく、大手飲料メーカーというおかしな現実▼日本の食と農は、企業の欲とそれを保護する悪政につぶされようとしている。これに対抗した流れをつくるのは、私たち農民と消費者にゆだねられている。くわを握る手に力がこもる。このままにはさせない!

(歩)

(新聞「農民」2005.4.4付)
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2005年4月

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