「農民」記事データベース20050404-678-03

9割こす農家が署名

憲法9条守る西山形の会の訴えに


 山形市の「憲法九条を守る西山形の会」は、九条を守る署名を地域の九割を超す家から集めました。中山間地も含む農村地域で、農民連も大きな力を発揮しました。

 幅広い呼びかけ人

 昨年十一月に発足した「西山形の会」。署名の呼びかけには、幅広い人々が名を連ねました。農業委員、農協理事、柏倉・門伝総代、元市議会議長、三つある寺の住職…。農民連の会員も数人入っています。お寺の住職は、一様に「本山では太平洋戦争に仏教会が協力したことに懺悔(ざんげ)している」と快く引き受けてくれました。

 先の戦争で、六百戸中六百六人が徴集され、百五十五人が亡くなったという悲惨な歴史を持っている西山形。結成の翌日には、八十三歳になる農民連会員で元農協監事の安達半次郎さんが、自分の集落三十戸すべてから署名を集めました。

 戦争は絶対にイヤ

 「軍隊では、毎日ビンタを張られ、東北弁はばかにされた。中国の戦地では、目の前でころころと死んでいった。自分も弾が大たい部を貫通したが、幸いにも助かって帰国できた。戦争はしないと誓った憲法九条は絶対に守らなければならない」。安達さんの訴えにだれもが迷うことなく署名しました。

 署名に取り組む人が四十人を超え、集中行動したことで、署名数がみるみる増えていきました。

 私も、二月の大雪の中、夕方から訪問。毎日、山を登り、四回の訪問でやっと会えた家も。「いいですよ。戦争だけはいやだからね」と署名してくれたときは、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 九集落では全戸で

 こうして集めた署名は実質二カ月で、西山形地区六百三十戸のうちの九三%にあたる五百八十四戸分、有権者二千二百人の七〇%にあたる千五百三十人分に。二十集落中九集落では全戸が署名。

 二月二十五日に、私も含めた代表世話人三人と事務局長、事務局員の五人で「九条を守ろう県民連絡会」事務局に署名を届けました。

 引き続き、全有権者をめざして署名の輪を広げます。

(西山形農民連会長 高橋嘉一郎)

(新聞「農民」2005.4.4付)
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2005年4月

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