「農民」記事データベース20050228-673-09

旬の味


 食料・農業・農村基本計画の見直しが行われている。この中で食料自給率を金額ベースで表示することが提起された。金額ベースだと、カロリーベースで四〇%の自給率が七〇%になる。いくらかでも自給率を高く見せたいという「姑息(こそく)」な手段だ▼国は四五%に引き上げる目標を立てたものの、基本計画の見直しでは目標を棚上げせざるを得なくなっている。おまけに、自由貿易協定(FTA)などを推進して、農畜産物の輸入を拡大しようとしている。これでは自給率の向上はとうてい望めない▼一方、異常に低い自給率に国民の批判も強まっている。これをかわすためにあみ出した苦肉の策が、金額ベースの自給率だ。家庭での食事を満腹感ではなく、「今日は金額ベースでマグロのトロ」と言ったら誰しも笑うだろう▼「姑息」を辞書で引いてみると「一時逃れ。間に合わせに行うさま」とあった。今こそ、国内農業を守ることが自給率向上につながるという、一時逃れではない立場に立ち返るべきだ。

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(新聞「農民」2005.2.28付)
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2005年2月

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