「農民」記事データベース20041129-662-09

実りの秋満喫 各地で収穫祭


国際色豊かに深く交流も

千葉多古 BRAぶらしんのみ祭り

 木枯らし一号が吹きぬけた十一月十三日、からっと晴れた青空の下、千葉県多古町次浦で「BRAぶらしんのみ祭り」が行われました(写真〈写真はありません〉)。今年で四回目、全国から約一千人が集まり、普段閑静な集落がまるでテーマパークのよう。地元の会員が自宅の庭を開放し、例年通り用意された郷土料理は、田舎まんじゅう、甘酒、もち、焼きイモ、御歩射(おびしゃ)料理、太巻き祭りずしなど。

 今年も伝統的な結納の実演があり、新郎役に地元の青年、新婦役に募集に応じた女性と本物さながらの式になりました。

 また、以前から多古町旬の味産直センターと交流があるイタリアのピエモンテ州から親子二人が参加。農業を営む母親のエレーナ・トラバーサさんは、自然を守り、農民の共同を求める組織、「カッシーナ・デル・コルナーレ」(コルナーレ地方の農業組織)の会員です。「共同体を通して、生産者と消費者が過去に持っていたつながりを取り戻したい」。多古町の伝統的な文化に触れ、「いかに食べ物が大切かわかります」と語りました。

援農で採れたてのミカンを新潟へ

宮崎・高岡で収穫祭

 「新潟県中越地震にミカンを届けよう!」―十一月七日、宮崎県農民連は、秋晴れの下、ミカン狩りをしました。

 ある組合員さんが九月に交通事故にあい、収穫ができなくなったため、県連が「収穫祭」と銘打って援農の協力を求めたもの。高岡町のミカン山に子ども五人を含む約三十人がハサミを片手に集まりました。(写真〈写真はありません〉

 一つ一つていねいに切り取り、入れ物へ。時々口の中にも。「おいしい」「甘い」の声が響きます。子どもたちも「あった、あった!」とおおはしゃぎで、ぎこちない手つきでチョキリ。「これは新潟の分、これは持ち帰りの分」と次々に収穫。二百キロ以上のミカンを、義援金とともに新潟へ送りました。

 お昼には、焼き鳥とおにぎりをほうばり、楽しい一日を過ごすことができました。

(宮崎県農民連 吉田久美子)

医療青年が稲刈り充実感いっぱい

奈良民医連・青年ジャンボリー

 奈良民医連で働く青年たちの集まり・「青年ジャンボリー」が米作り体験に取り組んでいます。春に手植えした御所市にある中垣義彦・県連会長の田んぼで十月十一日、約二十人の青年が稲刈りを行いました。(写真〈写真はありません〉

 米作り体験の集大成となる収穫作業。それぞれが手に鎌を持ち、前日の雨で、ひどくぬかるんだ約五アールのたんぼの中へ。

 慣れない鎌の使い方を試行錯誤しながら、ゆっくりと丁寧に刈り取る女性。力いっぱい鎌を振り、勢いよく突き進む男性。それぞれ好きな所から始めたので、様々な刈り取り跡が描かれて新鮮です。

 ひととおり刈り終わると今度は束ねる作業。田植えよりはるかにこたえたようで、クタクタになりながら、束ねた稲を稲架(はさ)にかけました。

 手間をかけた農作業。そこで得た充実感が、さっそうとした彼らの姿にあらわれています。ジャンボリーのみなさんが、今回の「米作り体験」を通して得たものを、後世へと大事に引き継いでいってほしいと願っています。

(農民連・奈良産直センター 小西徹男)

高値つづく野菜もたちまちに売り切れ

兵庫・第10回収穫祭

 安全な食料は日本の大地から――。“兵庫収穫祭”が十一月七日、神戸市内で行われ、三千五百人の参加者でにぎわいました。(写真〈写真はありません〉

 震災の年にスタートしたこの収穫祭は、「阪神・淡路大震災救援復興県民会議」や農民連、食健連、労働組合などが開催、今年で十回目。農民連は十余りのテントで大根など野菜のほか、もちや味噌、おにぎりなど加工品を販売しました。どれも完売。高値が続いている野菜はあっという間に売り切れました。

 中央舞台では、農民連の永井脩会長が深刻な台風被害や米価暴落の実態を伝えるとともに、「収穫祭を米と農業について一緒に考える機会にしましょう」と訴え。労働組合でたたかっているネスレ、テトラパック、NTT、雪印などの報告や文化企画が行われました。

 農民連女性部が用意した、盛大なもちまきでにぎやかに締めくくり。

 今年は台風豪雨で、豊岡市但馬や淡路島は大きな被害を受けています。会場内の水害カンパ箱には二万七千円の義援金が寄せられました。

(兵庫県農民連 辻本悦子)

農家の思いを話した聞いた 新婦人と農民連

山形 交流会「産直フェスタ」

 山形県新婦人と農民連の交流会「産直フェスタ」が十月二十四日、山形市農業研修センターで開かれ、百五十人が参加。予想を上回る来場者で、準備したおにぎり、きのこ汁がすぐになくなる盛況ぶりでした。(写真〈写真はありません〉

 オープニングは新婦人のみなさんが元気良く「ロックソーラン節」を披露。続いて、シンポジウム「いま伝えたい生産者の思い」を開催。コーディネーターは山形産直センターの伊藤玉蔵代表、パネリストは、果樹農家の太田正良・天童産直センター代表、稲作農家の細矢孝夫・山形産直センターかかしの会代表、野菜農家の加藤正秀・山形産直センター理事、新婦人会員の長坂法子さん。農家が、どんな思いで農業を営んでいるか話し、質問や意見に答えました。

 お昼は、手作りのおにぎり、きのこ汁、餅つき、農産物の直売で腹ごしらえ。午後は「ヒューマンファーマーズ」コンサートに感動し、最後は農産物をはじめいろいろな景品があたる「ビンゴゲーム」で楽しく過ごしました。

 新婦人と農民連の県レベルの交流会は今回が初めてです。

(山形県農民連 柴田雅子)

(新聞「農民」2004.11.29付)
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2004年11月

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