米産牛肉の輸入解禁やめよ米価暴落と災害対策を急げ11・17緊急中央行動 要請集会 政府交渉アメリカ産牛肉の輸入解禁やめよ、米価暴落と災害対策を急げ――。全国食健連と農民連は十一月十七日、農水省正面玄関前で要請集会を行うとともに、三班に分かれて農水・厚生労働省と交渉しました。
要請集会国民の安全・安心こそ最優先せよ農水省前には「モーがまんならん」と千葉県から二頭の牛がかけつけ、歩行者も注目。北は北海道、南は宮崎から百人がかけつけ、横断幕を広げノボリ旗も林立。「国民の安全・安心こそ最優先すべき、BSE安全対策の基準緩和は許されない」と書かれたビラを配り、「食料自給率を向上させましょう」と道行く人に呼びかけました。要請集会で、畜全協事務局長の安西肇さんは、「政府は若齢牛の除外をたくらんでいるが、BSE撲滅には全頭検査が必要だ」と指摘。新日本婦人の会の安達絹恵さんは、「BSE、米価暴落、農産物輸入、災害など、どの問題も生産者だけでなく消費者の問題でもある。米が水より安いなんてとんでもない。生産者が元気にやっていけるよう私たちもがんばる」と決意表明。 農民連の佐々木健三会長は、「台風や地震による自然被害も深刻だが、米価暴落など、政治による災害を怒りを込めて告発する。国民共同の運動を進め、この政治災害を防いでいこう」と訴えました。
米価暴落政府米をすぐ買い百万トン備蓄を農水省交渉第一班は、農民連の佐々木健三会長をはじめ二十一人が、米とBSE問題を問いただしました。米問題では、政府米を直ちに買い入れて百万トンの備蓄米を確保すること、超古米放出の禁止と米の価格保障、ミニマムアクセス米の廃止を要請。BSE問題では、全頭検査の実施とアメリカ産牛肉の輸入解禁をしないよう訴えました。政府の保有する備蓄米は今、政府自ら決めた適正水準の百万トンを大幅に下回る六十万トンしかありません。農民連の横山昭三米対策部事務局長はそのほとんどが超古米で、民間の流通量をも把握できていないことを批判。農民連の堂前貢副会長は、現場でおきている「米改革」の矛盾を指摘し、「政府は米の生産と流通に責任をもて」と追及しました。
災害対策復旧へ農地・施設査定急ぐと約束「地震、台風、長雨などの災害緊急対策」では、激甚災害の早期発動や来春の作付に間に合うよう農地・農業施設の復旧、農作物被害への補償、融資の返済猶予や利子補給、種子の確保、ビニールハウス改修への助成など九項目を要請しました。新潟県農民連の鈴木亮さんは、山古志村の被害水田の写真を示し、「被災地は農業が主な産業。生きるか死ぬかの問題だ。雪が降る前に手を打ってほしい」と訴え。また京都府農民連の佐々木幸夫会長は、「担い手農家ほど被害が大きく『もう、やれん』と嘆いている」と述べ、緊急な特例措置を講ずるよう求めました。 農水省の担当官は、激甚災害の発動では「今月中にできるよう進めている」と明言。農地・農業施設の復旧では、「通常は査定してから工事に入るが、今回は査定前でも着手する。査定も現地を見ない『机上査定』で迅速に進める。他県の応援も借りて雪が降り出す前に復旧に努めたい」などと回答。またビニールハウスの改修では、「認定農業者向けの予算が残っているので、検討したい」と答えました。 佐々木さんは、「今日の成果が現場で生かされるよう、運動を強めていきたい」と話していました。
BSE対策協議で米産牛肉輸入解禁するな厚生労働省に対しては「BSE全頭検査を堅持し、アメリカ産牛肉の輸入解禁をしないこと」を強く要請しました。厚労省は今、BSE検査から二十カ月齢以下の牛を除外することを食品安全委員会に諮問し、その一方でアメリカと牛肉輸入解禁に向けた協議を行っています。これは、国民の健康を守るという同省の責任を投げ捨てた暴挙です。 交渉では、参加した農家、消費者から「厚労省は、何が何でもアメリカ産牛肉を輸入するという立場か」「二十カ月齢以下なら安全というのが、科学的な知見なのか」といった厳しい追及の声があがりました。 BSE市民ネットワークの奥田道代さんは、四千三百二十一筆の署名を手渡し、「私自身とともに子や孫の健康も守りたい。国がしっかりやってほしい」と訴えました。
(新聞「農民」2004.11.29付)
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[2004年11月]
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