「農民」記事データベース20041115-660-19

旬の味


 地震、台風、水害…どこも被災地という様相だ。いたるところで「農民連ここにあり」と、汗を流す仲間がいる▼先日、県に対して台風被害対策の交渉を行った。「これまでにない手厚い支援策だ」と担当職員が胸を張る。しかしその天災融資制度には「主業農家に限定する」という要件がある▼どこかで聞いたフレーズ。「担い手に政策支援を集中」し、大多数の農民の首を切る脳性(農政)マヒの政府と同じだ▼「私は兼業農家だが、今年の米価暴落と台風被害でざっと三百万円の減収だ。あなたたちの収入が三百万円減ったらどうする。兼業でも専業でも受けた被害は同じだ。被害農家全部を対象にするべきだ」と迫ったが、答えはなかった▼被害調査の時、壊滅的な被害を受けた農家はこう言った。「こんな使えない融資制度を出されても役に立たない。今日明日を暮らす生活費を何とかしてほしい」▼先輩が言う。「交渉はどれだけ現場の生の声を届けられるかが勝負だ」と。この声を受け入れる政治が実現されるまで。

(巌)

(新聞「農民」2004.11.15付)
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2004年11月

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