日本国憲法誕生の“生き証人”が語るシンポジウム憲法9条、今こそ輝かそう元GHQ憲法草案作成者 ベアテ・シロタ・ゴードンさん
「輝け日本国憲法―今と未来の世代のために」と題する講演とシンポジウムが十月二十九日、東京・九段会館で開かれました。同実行委員会が主催したもので、約八百人が参加。元GHQ憲法草案作成者の一人、ベアテ・シロタ・ゴードンさんが講演しました。 男女平等を定めた第二十四条を起草したベアテさん。憲法草案に込めた女性解放の思いとともに、「憲法九条は世界平和に必要。各国がこれをモデルにしていかなければならない」と語りました。
「男女平等」「国民主権」書き込む「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」――この条文は、ベアテさんによるものです。幼少時に来日し、戦前の無権利な日本女性の姿を目の当たりにしてきたベアテさんは、憲法に「個人の尊厳」と「両性の平等」を書き込みました。しかし、当時の政府はこれに反発。「政府は、私たちの草案を喜びませんでした。でも国民は喜びました。それは、押さえつけられてきた願いを、私たちが書き込んだからです」とベアテさん。 そして今の改憲の動きについて、「私たちが憲法を押し付けたという人がいますが、私は、アメリカの憲法よりも日本の憲法の方がすばらしいと思っているんです。どうして自分のものよりいいものを押し付けるでしょうか」と批判します。 憲法誕生の生き証人として、日本国憲法のすばらしさを語り続けるベアテさん。「国民が、自らの権利を毎日の生活に組み入れることは容易ではありません。子どもたちの将来のため、今たたかわなければなりません」と力を込めて訴えました。
四氏が改憲意図をつよく批判続いて開かれたシンポジウムでは、教育、人権、世界経済、平和活動の視点から四人のパネリストが報告。三上満氏(東葛看護学校校長)は、憲法とともに教育基本法を守る必要性を語り、吉田健一氏(弁護士)は、国民に国への協力義務を課す自民党の改憲案を批判。黒川俊雄氏(慶應大学名誉教授)は、改憲を迫る財界のねらいを告発し、布施祐仁氏(日本平和委員会常任理事)は、イラク人の青年との交流を通じて「憲法の輝きを実感した」と述べました。コーディネーターの中築間卓蔵氏(マスコミ九条の会代表)は、「九条の消費者から売り子になろう」と述べて、改憲阻止の世論を高める運動を呼びかけました。
憲法会議 銀座街頭で訴え「憲法の誕生日に、暮らしの隅々から憲法を守るとりくみを」――。十一月三日は、日本国憲法公布の日。今年は五十八周年です。農民連も参加する憲法会議は、東京・銀座の繁華街で、「憲法を守るために力を合わせましょう」と、道行く人々に呼びかけました。憲法会議に参加する各団体の代表が、次々と宣伝カーから訴えます。日本民主青年同盟の代表は「私と同年代の日本の青年がイラクで殺された。これは、アメリカの無法な戦争を日本政府も支持しているから。紛争は暴力でなく話し合いで解決する―この平和のルールを世界に先がけて高らかにうたったのが憲法です」と語りました。 日本共産党の山口富男衆院議員は、「いま世界では、憲法九条のような平和をめざす流れが強くなっている。自衛隊を派兵する間違った政治をただすことこそ憲法を生かす道」と訴えました。
(新聞「農民」2004.11.15付)
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[2004年11月]
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