「農民」記事データベース20041115-660-01

新潟県中越地震

さらに救援物資もボランティアも

農民連の会長、女性部長 現地へ


新潟県央センター

畑から採れたて野菜で温かい豚汁300人分

 新潟県農民連・県央センターは、十月二十七日から連日、長岡市内の公民館で、約三百人分の豚汁、百五十人分のてんぷら、焼きいも百本の炊き出しをしています。ガス、水道がないので、水、プロパンを持ち込んでの支援です。

 地域の人たちが鍋を抱えて「三人分欲しい、五人分欲しい」と差し出し、またたくまに七十人分ほどの大鍋がカラに。「温かくておいしい」と好評です。

 会員からは「なにより被災者から喜んでもらえることがうれしい」との声。野菜の大部分は会員が畑から採ってきたものです。自分の仕事そっちのけでがんばっている会員の奮闘に感謝です。

(県央センター 鶴巻純一)

福島県連車で佐々木会長

1日も早い復興に全力
共同センターから感謝

 十月三十日、今にも降り出しそうな空模様のなか、トラックに米二十袋とリンゴ、野菜、日用品などを満載した福島県連の第二次支援車に便乗して、長岡に入りました。満載の救援物資から、会員の真心が伝わってきて熱い思いがこみ上げてきます。

 現地では、長岡農民連の石橋幸男さん(日本共産党市議)と新潟県連の和田忠敏事務局長が待っていて、さっそく物資を倉庫に搬入。作業の合間にも、各地から連絡が入り「野菜が欲しい」「鍋が足りない」など対応に追われていました。

 十万人にものぼる避難所での生活を余儀なくされている人たちが、いま一番希望しているのは、温かい汁物。特に野菜のいっぱい入った豚汁が喜ばれています。そのため私たちが運んできた白菜、大根、ねぎなどは民主団体の共同センターに運ぶことにしました。大きな駐車場付きの建物に設営された共同センターには、地元をはじめ全国から多くの人たちが支援に入り、豚汁の炊き出しはフル回転、私たちが持ってきた野菜は大歓迎でした。

 共同センターの責任者から「農民連の皆さんは、いち早く現地に入り、全国から農産物や救援物資を届けていただき、心から感謝しています」というお礼の言葉があり、「一日も早い復興のために全力をあげよう」と固い握手。地元の石橋さんは「全国からの支援は本当に素晴らしい。現地でもこれに応えてがんばる」と語っておられ、昼夜を分かたぬ奮闘に「我々も全国でがんばらねば」と決意をあらたにしました。

 被災地ではいまも余震が続いており、近づく雪の到来も気掛かりです。現地と相談しながら支援物資の強化とボランティアなどが必要です。まだまだ続く被災者の避難生活に役立つ活動を今後とも強めなければ、との思いを強くしました。

(農民連会長 佐々木健三)

高橋女性部長

見慣れた故里の姿一変
病院、老人施設へ物資

 被災地の小千谷市に実家がある私は、地震発生以来、テレビと電話の前から離れられなくなりました。二十四日昼ごろ、小千谷に住む姪(めい)から「全員無事」とのメールが入りましたが、それ以上のことはわからず、心配はつのるばかりです。

 神奈川県農民連でも救援物資を届けることになり、小田原の農家は雨のなか、みかんや柿を収穫、中津ミートは学校給食用のラインを止めてウインナーやハムを準備。二十六日夜、神奈川県農畜産物供給センターの薄井康好さん、今森節夫さんと出発し、翌朝、長岡市の石橋幸男さん宅に到着しました。

 小千谷の市街地に入ると、ふるさとの見慣れた商店街が一変。ガラスが割れ、門柱が倒れた家々、めくれあがった道路が目に飛び込んできました。実家がある地域は揺れが激しかったらしく、土塀がひどく落ちていましたが、幸い家族にケガもなく安心しました。

 さっそく、救援物資を小千谷総合病院と老健施設「水仙の家」、子育て支援施設「わんパーク」へ。病院では電気が復旧しており、看護部長さんは「ソーセージを温めることができる」とたいへん喜んでくれ、「水仙の家」の一階フロアに布団を敷き詰めて動けないお年寄りからは、「果物など手に入らないのでたいへん助かります」と感謝されました。

 しかし、こうして救援物資を届けている最中にも震度6の地震が発生。電柱がユサユサと大きく揺れて、うずくまって泣き出す住民や子どもたち。

 これから冬をむかえ、雪の重みに痛んだ家や地滑りの地域が耐えられるか――。今はライフラインを復旧して命をつなぐことが第一ですが、小千谷の織物や山古志村のニシキゴイ、闘牛の伝統がもとのように復元されることを心から願っています。

(農民連女性部長 高橋マス子)

(新聞「農民」2004.11.15付)
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2004年11月

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