「公正・的確な検査」は公的検査のいのち(2)信頼される農民連の検査確立のために
大切にしたい「検査の手順」前回、農産物は生き物で、毎年違うと書きました。「公正・的確」な検査を行ううえで、私が最初に強調したいのは、その年の生育、気象条件による品質の特徴を事前に把握するように努めることです。試験研究機関や農業普及センターなどの協力を得る必要がありますが、事前にサンプルを集めて分析しておくと現場で役立ちます。それは的確な検査格付けを行う条件の一つでもあると思います。二つめは、サンプルの疑問品は、検査員同士の検討はもちろんですが、農政事務所の検査担当の判断・指導などを遠慮せず求めること。今年のような台風や猛暑の年は、被害を受けたものの混入や乳白・心白粒の混入程度の判定など難しいと思います。大阪農政事務所は、初検査が始まる前に今年の受検品サンプルを集めて、検査格付け程度の検討会を実施してくれました。これが乳白・心白粒の混入の多い受検品の格付けに大いに役立っています。 三つめは、検査の合い間にでも、地域や県内の検査員が会う機会をつくること。難しい場合が多いとは思いますが、検査格付けした試料を持ち寄って互いに検討することは、的確な検査格付けや程度統一のために役立つと思います。 四つめは、現場では検査手順を基本にした検査を行うことが本当に大事だということ。現役時代に検査品のクレーム処理をしたとき、白・黒カルトンをきちんと併用したか、胴割粒混入の判定に透視器は使ったのか、パーラーを活用したのか、抽出検査の均質な荷口という条件はどうだったのか、と疑問をもたざるをえなかったものもありました。「検査の手順」は、先輩検査官の長年の経験と英知で作り上げられたもので、決しておろそかにしてはいけません。 ((財)大阪農業振興協会検査員 佐保庚生=元大阪食糧事務所業務管理官)
(新聞「農民」2004.11.1付)
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[2004年11月]
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