「農民」記事データベース20040830-649-01

食健連・農民連8・11中央行動

米価暴落対策を急げ
米国産牛肉の輸入解禁やめろ

ただちに政府米買い入れよ

 「米価暴落対策を急げ!」「アメリカ産牛肉の輸入解禁をやめろ!」――全国食健連と農民連は八月十一日、食と農をめぐる差し迫った二つの問題で、農水・厚労両省と交渉しました。真夏の太陽が照りつけるなか、農水省前の行動には、国公労連、新婦人など労働者・消費者を含めて二百人が参加。千葉県農民連の大木伝一郎委員長は「早期米地帯ではすでに稲穂が黄金色に色づいている。しかし農家の顔色は、米価暴落の先行き不安からまっ青だ。この原因は『米改革』。われわれは徹底的にこれとたたかっていく」と決意表明しました。


 まったく先が見えてこない

 今年の米価は、千葉県産早期米の農協仮渡しが一万一千〜一万二千円になるなど、「まったく先が見えない」状態。生産費を大きく割り込んだ低米価が農家の心に重くのしかかっています。ところが農水省は「市場原理で落ち着くべき価格に落ち着く」などとまったく“他人事”。これに対して「生産費を割り込んで、何が落ち着くべき価格だ!」「米価暴落を見て見ぬふり。それが農水省のとるべき態度か!」と厳しい追及の声が、参加者からあがりました。

 米価暴落の主な原因は、不作に乗じて大量放出された百五万トンを超える政府古米。さらに政府は、いったんエサ用に処分を決めた超古米を主食用に売却する一方で、〇三年産米を十万トンの計画に対してわずか六千トンしか買い入れず、備蓄米が政府自ら決めた適正水準(百万トン)の六割しかない状態を放置しています。米価暴落は、まぎれもなく政府の責任です。

 交渉では、農民連の政府米の緊急買い入れや超古米の放出ストップを求める緊急要請に寄せられた、福島、宮崎、富山、千葉、茨城の自治体、農協、農業委員会、生協や労働組合などの賛同署名を提出。「計画に見合う米の買い入れをただちに行え」「政府米、とくに九七年産米の放出を中止しろ」と強く要請しました。

 (農民連) なぜ計画どおり政府米を買い入れないのか。

 (農水省) 三月末の買い入れ期限を延期しているが、売ろうという農協がない。

  とんでもない。全農千葉は二十三万俵の米を売り残して頭を抱えている。福島のある農協も政府が買うというならいつでも売る準備があるといっている。

  アナウンスはしてきたつもりだが…

  現場の認識はまったく違う。それに、いま政府が行うべきことは“申し出があれば買います”ではない。政府が自ら決めた備蓄計画や買い入れ方針を責任持って実行することだ。

  ……

  超古米の放出が米価暴落に手を貸しているという認識はあるか。

  ニーズがある以上、古米も売らざるをえない…

  それでは単なる商売だ。農水省は、国民の税金を使って米価を暴落させ、農家を米づくりから追い出すつもりか!

 生き残るためのたたかいだ

 交渉に参加した長野・中信農民センター組合長で松川村の稲作専業農家、宮田耕治さんは、農水省の答弁を聞いて「食料自給率向上に向けて努力する姿がまったく見えてこなかった」と言います。

 交渉に続いて開かれた意思統一集会で、笹渡義夫・農民連事務局長は「『米改革』による米つぶしが予想を上回るスピードで進んでいる。これとのたたかいは、まさに農民として生き残るためのたたかいだ」と強調。そのうえで「米価緊急対策への賛同署名と食健連の自給率向上を求める署名を持って自治体や農協、業者・消費者を回り、壮大な運動にしていこう。『ふるさとネット』を通じて安心・安全、作る農家の顔が見える準産直米を消費者に届け、国民的な運動をまき起こそう」と呼びかけました。

(新聞「農民」2004.8.30付)
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2004年8月

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