「農民」記事データベース20040816-648-13

商売につながるもの求めて

地産地消の醤油作り視察

西東京米研の米屋さん


田は“雑草の博物館” 草取りに汗

このままでも米300キロは…一同ホッ

 千葉県酒々井町で、街の米屋さんが始めた無農薬の米づくり「西東京・米研村」。七月十八日の今回も、六月に続いて草取りを行いました。

 植物とは正直なもので、適度な水分と申し分ない陽光があれば育つもの。除草剤を使わずに米ヌカ除草を試した「米研村」の実験田は、前回にもまして雑草の博物館。付近の田と比べるとここだけ上昇気流が舞っています。

 とりあえず八人の米屋さんと千葉県農民連の精鋭五人で作業開始。ずっしりとした量感をともなって、どんどん畦に積み重なる草、草、草。「これが食べられたらなぁ」とのつぶやきが心にしみます。やはり自然には勝てないか…。鯉除草を実践している子安章さんの「まぁ、このままほっといても三百キロくらいは採れるでしょう」の言葉に勇気づけられたところで、午前のメニューがタイムアップしました。

 実は、今回の当初予定は「何か商売につながるものを」をテーマに視察旅行。訪問先の都合で、幸か不幸か、午前中に時間ができてしまいましたが、午後からは予定通り(有)宮醤油をめざして一路、房州・富津へ。ここは、農民連ふるさとちばネットワークのこだわり二年熟成本醸造丸大豆醤油の製造元です。

 六代目当主の宮正蔵社長の職人気質漂う苦労話にしばし感動。なかでも社長の「生産者と消費者を直結し、よりよいものをより安く」との信条から始まった農民連との提携は、地産地消の真髄です。年季の入った木の大樽の中では、千葉産の大豆と小麦で作った醤油、農家と加工職人の汗と涙の結晶がふつふつと醗酵していました。

 続く夕食会では、地元農民組合から鈴鹿忠衛さんと常住文夫さんも参加して、大いに交流を深めました。

(千葉県農民連 飯尾暁)

(新聞「農民」2004.8.16付)
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2004年8月

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