決議したチームスター労組米食肉企業(タイソン・フーズ社)にBSE全頭検査要求する日本の市民・労働者に支援訴え
労組代表、来日囲む集い開くアメリカの食肉加工最大手、タイソン・フーズ社の労働者が、職場環境の改善とBSE検査の実施を求めてたたかっています。アメリカの労働者の要求は、BSE全頭検査を支持する日本の世論の正しさを裏づけるもの。七月下旬には労働組合の代表が来日し、日本の市民・労働者に支援を呼びかけました。来日したのは、ワシントン州にあるタイソン・パスコ工場で働く千五百人の組合、チームスター労組五五六分会のメルキアデス・ペレイラ委員長(37)と、と畜解体作業に携わるラファエル・アギラー氏(33)。同分会は六月、「すべての食肉加工会社がBSE全頭検査を行うよう要求する」決議をあげました。 しかしアメリカ政府と大手食肉業界は、「全頭検査は非科学的」などとして、安全対策抜きに日本市場をこじ開けようとしています。来日した労働者の告発は、この主張の不当性をあらためて浮き彫りにしました。 七月二十二日に都内で開かれた「米国食肉加工労働者を囲む集い」(写真〈写真はありません〉)。ペレイラ氏は「私たちは、タイソン社が毎日、安全規則に違反しているのを見ている」と告発。「私の知る限り、解体の過程で脳やせき髄が飛び散る。日本のようにそれをホースで吸引することは、アメリカではやられていない。三十カ月齢以上の牛は別ラインで処理されるが、その判断は、歯のはえ方だけで会社が行う」と述べました。
日本の日処理3百頭、米ではたった60分でペレイラ氏らが前日に視察した芝浦と畜場は、日本最大規模で一日に処理する牛は約三百頭。ところがパスコ工場は同数の牛をたった一時間で処理します。その過酷な労働をする従業員の九割は移民で「私たちはチューインガムのようなもの。甘くなくなれば使い捨てられる」と言うペレイラ氏もメキシコ人です。同氏は最後に、「タイソン社が自主的に安全対策をとることはないと確信する。『職場の安全と食の安全』のために日本の市民・労働者との連帯を強めたい」と訴えました。
(新聞「農民」2004.8.9付)
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[2004年8月]
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