分析センターだよりがんばる小規模農家を分析事務を通して応援
六月になり、旬のサンショウがたっぷり入った佃煮でご飯を食べようと思い、玄米を手に取りました。すると、米は虫の糸で数珠つなぎになり、イモ虫がひょこひょこ。「だから冷蔵庫に入れておけって言ったろうが」という生産者の声が聞こえてきそう。 このイモ虫はヌカと胚芽の部分だけを食べます。新聞の上に広げると自分よりも大きな米粒を抱えてボリボリと…。そんな時、ふと、薬を使いたい衝動に駆られました。 僕は、小さいころからベランダで洗濯の邪魔をしながら野菜や果樹を植えていました。気が付けば、ミカンにはアゲハチョウ、ブドウにはスズメガ、サンショウやジャガイモにはアブラムシ、桃にはハダニが。どれも厄介な虫たちです。実際は手で駆除できていたのに、農薬にも手が出たのは、「虫には農薬を使うもの」という固定観念があったからかもしれません。 それから十年以上経った今、農薬を使わなくてもできる農業があることを知りました。そして、生産量は減るけど、おいしい作物が採れることも。そんな農家は、青虫を手で捕り、水田にアイガモを放ち、刈った草や給食から出た残飯で鶏を育てています。これは、家族的な経営だからこそできることでしょう。 いま小泉内閣は、百七十万戸ある稲作農家を、法人化や大規模化した経営を中心に八万戸程度に減らそうとしています。しかし大規模農業では、大量に発生する病気や害虫、雑草を管理しにくくなると思います。農民連食品分析センターは、小規模でもがんばる農家を応援し、国民に安全な食べものを供給するために貢献していきたいです。 (N)
(新聞「農民」2004.6.28付)
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[2004年6月]
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