「農民」記事データベース20040614-639-10

食の安全と農業、地産地消…

みんなで考えよう


大田区(東京)で労組がシンポ

共同広げ 区食健連結成を

 「食の安全と地域経済を考えるシンポジウム」が、五月二十九日、東京・大田区で開かれました。これは、大田区労働組合総連合(大田労連)や米卸の全労連・全国一般城南食糧労働組合などが主催したもので、六十三人が参加しました。

 シンポジウムでは、農民連・食品分析センター所長の石黒昌孝さんが、輸入食品の残留農薬や遺伝子組み換え食品など食をめぐる危険な問題点をとりあげ、安全な国産の農産物を求める消費者の願いにこたえるためにも、生産者、消費者、業者も含めた共同の運動を呼びかけました(写真〈写真はありません〉)。

 また、大田区職労の小佐野茂書記長と城南食糧労組の石田重信委員長が、現場での取り組みについて報告しました。小佐野さんは、労働組合が行った「区民生活アンケート」をもとに、大型量販店に押されて、街にコミュニケーションと活力が失われていること、その中で、必要な品物は身近で早くそろい、人と人がふれあえる場を大切にした街づくり・商店街づくりの取り組みについて報告。また石田さんは、米の流通現場から、この間の「規制緩和」で米屋さんが減少する中で、大手スーパーによる安売り、価格操作が行われていることを告発。お年寄りへの宅配など住民に身近な米屋さんについて訴えました。

 会場から、山形・庄内産直センターの佐藤光雄さんが、東京・神奈川の保育所や学校と進めてきた米産直の取り組みと交流について報告。消費者に「おいしかった」と言われるのが生産者にとってなによりの励みだ、と語りました。

 主催した各団体は、これを機に、大田区に食健連を結成していこうと、話し合っています。


地産地消の学校給食を

千葉県、茂原・長生 食健連がシンポ

 「みんなで考えよう 食の安全と農業、そして私たちの地域とくらし」――。千葉県食健連と茂原・長生食健連は五月二十九日、茂原市で「学校給食シンポジウム」を開催(写真〈写真はありません〉)。約七十人の参加者は「学校給食の発展には地域農業が欠かせない」との思いを共有しました。

 パネリストの大木傅一郎・千葉県農民連会長は、全国二位の農業粗生産をほこる千葉県でも農家戸数、農業生産量が減少していると指摘し、「学校給食と地域農業の結束を強める活動が今後ますます重要」と訴え。

 給食の現場からは、茂原市学校給食公社労組の三村昌輝委員長が、「食は教育。自治体の責任で充実を」との立場で、住民参加の食材検討会の設置を提唱。「八億円といわれる管内給食の食材産業のなかで地元産の割合は低く、安全面からも地元野菜の供給と地域の活性化が必要」と述べました。

 埼玉県草加市職労の菅千代子副委員長は、作物提供農家の「庭先マップ」を使った安全でおいしい給食をめざす取り組みを報告。顔の見える生産・流通・消費の重要性を語り、「人と人のつながりを重視して地産地消の給食を」と発言しました。

 農民連の笹渡義夫事務局長は、先の国際シンポジウムで外国パネラーから、日本の地産地消運動に賞賛と驚きの声があがったことを紹介。「『食糧主権』を確立するうえで学校給食はとても重要。農業つぶしや、もうけのための学校給食を許さず、自給率向上と地域農業を発展させる運動を強めよう」と呼びかけました。

(千葉県農民連 飯尾暁)

(新聞「農民」2004.6.14付)
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2004年6月

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