「農民」記事データベース20040614-639-06

04年全国研究交流集会

各地からの報告

奈良県農民連 森口いち代


半専従ふやし会員の力借り税金相談などを成功させた

 奈良県農民連の組織拡大のとりくみについて報告します。県連は、三年前に三つの地域センターをつくり、それぞれ半専従を配置して活動しています。しかし各センターとも財政が確立しておらず、専従が産直センターや県連の仕事に追われ、なかなか通年の活動になりません。そこで今年から、私ともう一人、半専従を増やしてこれを克服することにしました。

 ちなみに私は、一年前まで広告会社で働いていたので税金のことをまったく知りませんでした。五十の手習いで不安がいっぱいのなか、大きな海に飛び込んでしまったような気持ちで、春の運動がスタートしました。

 最初は、税金相談会のお誘いのチラシを新聞に折り込み、公民館で待ちましたが、夜遅くまで待っても一人も来てくれません。落胆して家に帰る日が続きました。

 農民連で働きはじめるとき、県連の事務局長は「新しい未来を切り開くすばらしい活動だ」と言いましたが、そのころは明るい希望どころか不安ばかりが押し寄せてきて、居ても立ってもいられません。こうした状況を何とか打開しようと、組合員さんに片っ端から電話をかけ、「まわりの農家の方を紹介してほしい」とお願いしました。

 最初はあまりいい返事がありませんでしたが、やがてポツポツと紹介の電話がかかってくるようになりました。少しずつまいた種が、やっと芽を出しはじめたのです。

 また、今までなかったセンターというたまり場が連日、にぎわうようになりました。申告書を書きあげた人も集まってきて、税金相談の後は、もの作りや日常のよもやま話に、夜遅くまで花が咲きます。組合員に依拠して活動するという方針の正しさを実感しました。

 さらに今年の春の運動は、税金相談にとどまらず、組合員さんの多様な要求をくみ上げる場になりました。安全なもの作り、産直、免税軽油、労災、固定資産税、融資、結婚相談など、これらを一つ一つ実現していくことが農民連の役割だと思います。そのために、がんばっていきたいと思っています。

(新聞「農民」2004.6.14付)
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2004年6月

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