鹿児島山川町 指宿農民組合が誕生全国ネットに大きな期待と明るい展望見つけた生協や市場に新たな販路「仲間と力を合わせて生産と販路を広げたい」――。鹿児島・山川町で五月二十七日、指宿農民組合が結成されました。責任者に選ばれた吉村重則さんは、「農民連九州ネットワークに参加して、われわれが作っているスナップエンドウに生協や市場から大きな期待が寄せられた」と言います。同組合は、九州ネットが議論を重ね、実践を通して「農民連ふるさとネットワーク」(全国ネット)の展望と確信を広げるなかで生まれました。
九州ネットは、八月の全国ネット結成に向けて準産直米の飛躍とともに野菜や果樹でも多様な販路を切り開こうと奮闘しています。会議では「全国ネットができても自然にものが動くわけではない。ブロックや県のネットの強化が欠かせない。これに成功すれば、農民運動を大きく飛躍させることができる」と意思統一。各県連が励ましあってがんばっています。 九州ネットはこれまで福岡のエフコープ生協と約二十品目の産直を行ってきましたが、五月十一日にはその帳合をしている福岡中央青果と懇談。その席で「生協だけでなく、スーパーにも農民連の野菜を供給したい。価格も、農家だけがリスクを負うのではなく話し合って決めたい」との申し出を受けました。 これには参加者一同感激し、さっそく各県連が生産物を調査して具体化をはかることに。いち早く決まったのが、山川町のスナップエンドウでした。鹿児島県連は、米部会、野菜部会をつくり、販路の開拓に意欲的にと りくんでいます。その中でもスナップエンドウを有望視していました。 結成された指宿農民組合で、もともとの農民連会員は吉村さんだけ。しかし、声をかけた仲間がさらに知り合いにという具合に、二十代の若夫婦を含めて八家族十一人が発会に参加。「さっそく、最盛期のオクラの売り先はないか、来年はカボチャもやろう、資材も安く購入できないか、といった期待の声が出ている」と、うれしい悲鳴の吉村さん。県連の丸野武人事務局長も「全国研究交流集会の討議が成果につながった」と目を細めます。
“米・農業つぶし”に負けない!九州・各県連 確かな変化準産直米は、昨年の5.5倍に他の県連も負けてはいません。いち早く県ネットを立ち上げて共同店舗への出荷を軌道に乗せ、着実に仲間を増やしている熊本県連。宮崎県連でも事務局の奮闘で安いトラック便を見つけ、加工用大根を東海や福岡に送る準備を進めています。とくに準産直米は、各県連が昨年の実績を大きく上回り、五月末ですでに五・五倍。この原動力になっているのが、新聞「農民」号外を使った「米改革」と準産直米の学習会です。 宮崎県連は「米アンケート」にとりくみ、学習会・説明会を連続的に開いて目標をクリア。昨年参加した組合員は「自分は『担い手』だが農協には一俵も出さない。農協にもそう言ってきた。準産直に十トン出す」と約束しました。
会員をふやし飛躍の県連も福岡県連も仲間を増やしながら大きく前進し、大分県連は昨年の三倍の目標に向けて奮闘を続けています。熊本県連が六月二日に開いた準産直米の学習会には十七人が参加しました。こうしたなかで、鹿児島の肝付吾平町農協が農民連ルートで米を流通させることを決めました。 九州ブロックの飛躍はまだ緒についたばかりですが、各地で確かな変化が生まれています。大いにものを作り、安全・安心の国産農産物を求める消費者に届けることを農民の誇りにして、前進のなかで全国ネットの結成を迎えたいと思っています。 (宮崎県連 村尻勝信)
(新聞「農民」2004.6.14付)
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[2004年6月]
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