キューバ紀行(6)
正真正銘のスローフードに感激キューバ第二の都市、サンチァゴ・デ・クーパの郊外にある有機農業を営む農家(ドベイ・ボロイ・コンビエットさん)と交流しました。ここでは、三十三ヘクタールの畑に、いも類やトウモロコシ、インゲンなどを栽培し、馬や豚も飼う有畜農業が行われています。こうした農家は、決められた量の農産物を国営の会社に買ってもらい、残りは農業市場や直売所などで売り、個人の収益となるそうです。 さて、ドベイさんの農家に近づくと、なにやら楽器の演奏が聞こえてきました。なんとそれは、近所に住む九人の楽団が、キューバ音楽で歓迎してくれたのでした。 入り口には、牛車の荷台に、たくさんの果物やジュース、ココナッツが並んでいます。ガーデンパーティ用に四時間かけて豚の丸焼きも用意されていました。焼きあがるまで、キューバ音楽を聴いたり、ロバに乗って森の中を歩いたり。 トイレは、小さい小屋に白い布が一枚かけてあり、中には太い木を切り抜いた便器がひとつ。手を洗って水をバサッと捨てたら、鶏が大騒ぎで逃げ出しました。その巣穴には、卵が二個産んであった! ゴメンナサイ! いよいよお昼。ヤシの葉でおおった木陰の下、キューバ音楽が流れる中、焼きあがった豚の丸焼きに、畑で採れた野菜に炒めたごはん、蒸かしたいもなどを素焼きの器でいただきました。これが正真正銘のスローフード!キューバでは、国のすみずみまで有機農法が普及していることを実感しました。 食後のコーヒーも自家製です。コーヒーの木から赤い実を採って、豆を煎り、石臼と杵でついて粉にして沸かすまで、実演してくれました。つくりたてのコーヒーは、ことのほかおいしかった! 帰り際、幸運にも国鳥のキツツキに似た「トコロロ」を二羽発見! からだの色が、キューバの国旗の青(頭部・背中)、赤(腹部・尾)、白(羽)で、「ト・コロー」と鳴いて、仲良く飛んでいきました。 (若林真千枝、挿絵・三輪誠也)
(新聞「農民」2004.6.7付)
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[2004年6月]
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