旬の味
四カ月も深い雪に閉ざされる当地方。三寒四温がしばらく続いた後、やっと春が来たと残雪をながめ長かった冬を振り返るのが常だが、今年は勝手が違う。半月早く雪がなくなった。人々の会話も「もう春が来ちゃったんすな」。異常気象が気がかりだ▼旬といえばフキノトウ。ほろ苦さと香りがいい。これを食べると冬の間にたまった毒気がふきとんでいく。自生している畑へ行くと、もうつぼみが開いていた。本当は雪の中から土を押し上げたつぼみが一番おいしいのだが、それでもバッケみそとてんぷらの早春の味は格別だ▼いつも思うことだが、農山村の季節の移ろいはなんと美しいことか。雪解けが進み、雪原に真黒いあぜが直線的に姿を現し、日に日に田んぼの輪郭が形づくられていく光景に心が躍る。豊作を願って米づくりへの決意が醸成される一時であり、農民だけが味わう感動である▼国連が米の増産を呼びかけた「国際コメ年」。日本の政府は逆に米つぶしをやる。これでは世界の笑いものだ。「米は命」。今年も悠々耕そうと誓った。 (長)
(新聞「農民」2004.4.12付)
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[2004年4月]
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