「農民」記事データベース20040412-631-11

松尾佐知子の

やっぱりごはん

(月2回掲載)


 神戸に住んでいるめいの家に行って来た。目的は明石の魚の棚(うおんたな)で、いかなごを買ってくぎ煮を作ること。

 魚の棚で、明石焼きを食べ、焼きあなごやピンピンはねているスズキ、エビを買い、勧められるままに煮ダコ、目的のいかなごも六キロ買い込んだ。

 めいの家でさっそく料理。くぎ煮は古くぎのような仕上がりだからその名がつき、神戸の西のほうでは春を告げる味とか。震災の後、全国から来たボランティアの人にお礼として送ったことから、全国的にその味が広がったらしい。

 東京から抱えていった農民連のしょう油と、ざらめ、灘のみりんを煮立てた汁に、少しずついかなごを入れて強火で煮、さらに煮詰めてできあがり。さんしょうの実、唐がらし、ごまなども入れて、いろいろ作ってみた。どれもそれなりに満足。親戚にもおすそ分けしたら、「ごはんがいくらでも進みます」というお礼のメールが届いて一人ニンマリ。

 次にタコめしも作った。イイダコをごはんの上にチョコンと乗せて、めいの双子ちゃんに食べさせたら、二人とも「おいちい」と言って、パクパクと食べた。おいしいごはんと子どもの笑顔は幸福の象徴だ。

 その土地ごとの味や旬の味をこの子どもたちに伝えてゆくのは、私たち大人の役目。来年はいかなご十キロに挑戦したいな。

(管理栄養士)


ひっぱりダコの

タコめし

<材料4人分>  
3カップ
だし汁
しょう油
3カップ
ゆでタコ 中1杯⇒ぶつ切り
しょう油…大さじ2
みりん……大さじ2
酒…………大さじ1
砂糖………小さじ1
煮汁
しょうが 1かけ⇒せん切り
木の芽 少々
<作り方>
(1) 米はだし汁で炊いておく。
(2) ゆでタコは、煮汁でさっと煮て、とり出す。
(3) 煮汁を煮詰めて、タコをもどす。
(4) ごはんと、煮汁ごとタコをまぜる。
(5) どんぶりに盛り、針しょうが、木の芽をかざる。
★ タコは煮すぎるとかたくなります。
(新聞「農民」2004.4.12付)
ライン

2004年4月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2004, 農民運動全国連合会