「農民」記事データベース20040412-631-02

国のいいなりじゃない

農家・自治体・農協一体で地域の実態に合ったビジョンを

関連/食品分析センター募金者氏名


生産を広げ 米作り大いに

酒々井町高槻市にみる

 四月一日からスタートした「米改革」は、中小農家を稲作からしめ出して、米生産を縮小させるもの。さらなる輸入自由化への地ならしをはかる小泉政権と現場との矛盾が深まっています。農水省は「米改革」の具体案である「地域水田農業ビジョン」を三月末までに作らせましたが、あからさまな“農家リストラ計画”に、農家はもとより自治体や農協も反発。「担い手の限定」ではなく、農家みんなを担い手に位置づけて地域農業を振興する「ビジョン」も生まれています。兼業農家も担い手に育て、地産地消を推進して、生産を広げようという方向です。

朝市・直売所・学校給食へ供給

地産地消を柱に掲げ

 毎週日曜日に町役場で開く朝市が二十年以上も住民に親しまれている千葉県酒々井(しすい)町。「ビジョン」では、朝市や直売所、学校給食への地場産農産物の供給など地産地消のとりくみを柱に掲げました。

 同町の稲作農家は三百四十五戸ですが、国の基準(四ヘクタール以上)に当てはまる「担い手」はわずか十二戸。「ビジョン」は、「十二戸で町全体の二百八十七ヘクタールの水田を担うことは実質的に不可能」と述べ、意欲ある農家をみんな担い手に位置づけようとしています。

 同町水田農業推進協議会のメンバーで農業委員の竹尾忠雄さん(千葉県農民連副会長)は、「産地づくり交付金は町全体でたった十二万円。本当はこれも返上したい気持ちだ」と言います。そして「五月には女性の力を引き出す加工所もオープンする。国の言いなりでない、地域の実態に合った農業起こしの『ビジョン』でがんばっていきたい」。

学校給食米・食農教育推進…

兼業農家も担い手に

 大阪府高槻市は、定年退職する兼業農家を担い手として育成する方針を「ビジョン」に掲げました。これは、中小農家をしめ出す「米改革」とはまったく逆。市農林振興室の小柿正武室長は、「専業や若い農家だけでは地域の農業は守れない」と語ります。

 さらに、年間七十五トン供給する学校給食米、三十校に広がった学校学習田など食農教育の推進も掲げました。同市の水田農業推進協議会に加わる大阪府連高槻支部の羽瀬宏一支部長は、「私たちが要求し、市や農協と一緒に作りあげてきた施策が盛り込まれている。大いに米を作り、市民をはじめ多くの消費者に供給していきたい」と語っています。


ご協力ありがとうございました

食品分析センター募金者氏名

(2004年3月1日〜22日)

 北海道井上豊子、東京龍前房志、新婦人東久留米支部、新婦人練馬支部、石黒昌孝、上山興士、光永正直、愛知杉浦伸枝、長野臼田誠、広島県連大会、坂本照明、鳥取宅野亮介

(新聞「農民」2004.4.12付)
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2004年4月

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