この人

熊本県農民連の新専従　嶋田芳郎さん（54）

（ふるさとネットくまもと責任者）

現場に行って現場で学ぶ

　農民連の「ふるさとネットワークくまもと」の責任者として、熊本市内にある地産地消の共同店舗「かたらんね」（熊本弁で加わりませんか、語り合いましょうの意味）への野菜の納入と管理、民間の共同店舗（青果、肉屋、薬局などの事業共同組合）への野菜の納入などをこなしながら、県連のニュース作りなどもしています。

　仕事はとても忙しく、休めないのが悩みですが、「農家に集荷に行き、家族が懸命に働いている姿を見ると、家族のつながりの強さを感じる。人との出会いが楽しみ」と話します。

　昨年七月に起きた土石流で、自宅が半壊した水俣農民組合の吉海英機さんを訪ねた時、「農業をやり続けるというたくましさにふれ、多くのことを学んだ」と嶋田さん。「現場に行って、現場で学ぶことが大事」と、専従になって一カ月あまりの間に、県内に七つあるすべての単組と組合員さんを訪問し、実情をつかんできました。

　また十月に、ネットワークの責任者になってからは、店のお客さんの要望に応えようと、二十数人の農民連会員を新たに増やして出荷量や品目を拡大し、売り上げを伸ばして、現在事業を軌道に乗せつつあります。

　宮崎大学の農学部で農業経済学を専攻。その後、宮崎県内の商工団体で活動してきた経歴を持っています。

　趣味は読書と映画と演劇鑑賞で、十年前から家族で川に行き、素潜りでアユ突きも楽しんでいるとか。家族は息子さん三人と奥さん。山鹿市でお父さんと同居しています。