兵庫・大豆トラスト運動実行委県産大豆と道産小麦のしょう油いよいよ夢かない醸造開始、大喜び
龍野市の老舗に依頼地元の大豆で作ったしょう油をトラスト会員に届けよう――兵庫農民連も加盟する、県の「大豆トラスト運動実行委員会」は三月十六日、龍野市にある「末廣醤油」に加工を依頼し、地元の大豆と北海道産小麦を使ったしょう油の醸造を開始しました。原料の大豆一トン半は、市川町の橋本早苗さんの生産したものを使い、一トンあまりの小麦は、北海道農民連を通じて取り寄せました。 兵庫の「大豆トラスト運動」は今年で六回目。会員には大豆だけでなく、味噌、しょう油、煮豆、黒豆などを届けていますが、しょう油だけは、他県の農民連が作ったものを取り寄せていました。このため、県内産の大豆でしょう油を作るのが長い間の念願でした。 龍野市は、「大手のヒガシマル醤油」もある、四百年の歴史を持つしょう油の産地で、落ち着いた昔ながらの町並みが残り、童謡「赤とんぼ」で知られた町。「末廣醤油」も百二十五年の歴史のある老舗です。 この日、蒸した大豆と炒った小麦とこうじ菌が混ぜられ、四十四時間寝かされた後、樽に仕込まれました。これから十五カ月の醸造期間を経て、来年夏頃にはアルコール以外、何も添加しないしょう油が出来上がります。 (兵庫農民連・上野信行)
小麦は小ロットで発送兵庫農民連からの要望に応え、北海道農民連はホクレンに入っていた小麦を農協経由で買い戻し、一トンのフレコンバックから三十キロの紙袋に詰め替えて発送しました。 現在、道産小麦の九五%は、農協を通じてホクレンに集荷され、大ロットで入札によって売買されています。入札は、前年の実績にしたがって落札数量が決められるため、中小の製粉業者が急に量を増やそうとしても、思うように買えない事情があります。 こうしたなか、北海道農民連は、昨年から、小さな単位で小麦を流通させ、中小の製粉会社に国産小麦を届けることができないかと模索してきました。 一方、農水省は「国産小麦の品質は、実需者(大手製粉業者)の要望に合っていない。ミスマッチがある」などと小麦の増産を拒んでいます。道内の農協でも、「需要と供給のミスマッチ」と言われることに疑問を持ち、中小業者に小ロットで国産小麦を供給しようとする模索が始まっています。
(新聞「農民」2004.4.5付)
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[2004年4月]
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