松尾佐知子のやっぱりごはん(月2回掲載)
昨年三月二十日、私はイタリアでイラク戦争が始まったことを知った。 イタリアの各地で、戦争に反対する集会が開かれ、店先やアパートの窓には、“パーチェ(平和)”と書かれた反戦の七色の旗が張られていた。私もすぐその旗を買い、一週間の旅を行った。 初めての海外旅行にイタリアを選んだのは、スローフード運動の発祥地の食文化を知りたかったから。 しかし、格安のツアーの食事はなんとも貧しく、パンとパスタと野菜くずのようなサラダばかり。しかたがないので、デザートと称して他の店に飛び込み、ピザやライスコロッケ、サンドイッチ、アイスクリームを食べまくった。後で聞くと、松尾家はいつも食べていると噂されていたらしい。 和食好きの私がイタリアの食事にすっかりなじんでしまったのはなぜだろうと、ずっと考えていた。好奇心もあったが、パスタは日本ではすっかりおなじみ、違和感がなかったことに気づいた。 日本人ってつくづく順応性がある民族だと思う。カレーライスやコロッケだって、今や日本食。では、和食の定義とは?それは日本の食材で作る料理ということではないだろうか。日本の農業を守りたい。今、心からそう思う。 成田空港に着いた後の昼食は、もちろんお寿司とみそ汁だった。 (管理栄養士)
つまみやおやつにピッタリライスコロッケ
(新聞「農民」2004.3.29付)
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[2004年3月]
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