「農民」記事データベース20040322-628-12

旬の味


 二月に二十度を超えた日があって春を通り越した陽気に驚いたら、三月は寒さが戻り、顔を出したふきのとうの上に雪が積もる。不摂生がたたって風邪をひいてしまい、マスクが手放せない▼知人から「鳥インフルエンザか」とからかわれる。しかし冗談事でないことを三月八日付の「農民」で知った。「通常のインフルエンザもすべて鳥由来」。「鳥から人へ、人から人へ」の大流行が危惧される▼一昨年、大型施設での採卵業を見る機会があった。狭いゲージに入った鶏、照明と自動配給のエサ、レールにのって運ばれてくる卵、選別からパック詰めまですべて機械。まさに効率第一の「工場」で、昼夜なく動く「社会の縮図」だと思った▼農機具屋が、地元代議士の講演会に参加して腹を立てていた。百姓の収穫の喜びを奪った「カントリーエレベーター」は農機具屋の仕事も奪った。「ここまで農業をつぶしておいて、今さら何を言うのか!」と言いたかったそうだ。風邪を追い出し、悪政を追い出そう。その思いで春の訪れを告げる「塩水選」に励む

(巌)

(新聞「農民」2004.3.22付)
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2004年3月

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