「農民」記事データベース20040315-627-13

松尾佐知子の

やっぱりごはん

(月2回掲載)


 牛丼屋さんから牛丼が消えた。最後の牛丼を面白おかしくテレビで報道しているのを見て、腹が立った。

 「国産牛で作ればいいじゃない! 国産牛が高いというなら、なぜ高いのか、どうすれば安くなるのか考えろ」と、テレビに向かって怒鳴ってしまった。

 ごはんとおかずが一緒に食べられる手軽な丼物は、確かに魅力である。

 親子丼、カツ丼、中華丼…。最近シャレたカフェでも、丼物がはやっているとか。

 「ヨシ、私も幸を呼ぶ丼を開発するぞ」と張り切って冷蔵庫を開け、あるものでいろいろ試作してみた。牛キムチ丼、キムマーボー丼、じゃこ丼、照り焼き丼、めんたい丼などを少しずつ作っては味見。それぞれがそれなりにおいしくて、娘に自信を持って食べさせた。娘は「味はいいけど、これじゃごはんの上におかずをのせただけ。丼ってもっとワクワクドキドキするような夢がなければ」と手厳しい。

 意外な食感や味の組み合わせを美しく盛り付けるのが、丼の醍醐味なのかもしれない。それにしても、丼にするとごはんが進むこと間違いない。二合炊いたごはんがなくなったのだから。いつか「自慢のどんぶり大会」をやってみませんか?

(管理栄養士)


ワクワクドキドキ

めんたい豆腐丼

〈材料4人分〉
卵………………2個→割りほぐしておく
玉葱……………1個→スライス
めんたいこ……1腹→ほぐしておく
バター…………30g
塩、こしょう…少々
絹ごし豆腐……1丁→1.5cm角に切り、軽くゆでる
水菜……………1わ→ザクザク切って水気も切る
しょう油………少々
ごはん…………どんぶり4はい
〈作り方〉
(1) フライパンにバターを入れ、半熟炒り卵を作り、皿にとっておく。
(2) 残りのバターで玉葱をこがさないように炒め、めんたいこと豆腐を加え、塩、こしょうで味を整える。
(3) ごはんをどんぶりによそい、(2)をのせ、水菜と半熟炒り卵を美しく盛り付け、しょう油を少々かけてできあがり。
★ めんたいこの量は好みの辛さで増減して下さい。“ちょっとイタリアン”と思うでしょうが、バターと豆腐とめんたいこの出合いがおもしろいどんぶりですよ。
(新聞「農民」2004.3.15付)
ライン

2004年3月

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