「農民」記事データベース20040308-626-09

看護学生が農作業体験

野菜の甘さにビックリ 農作業の喜び体で感じた

東葛看護専門学校(千葉県流山市)

 千葉県流山市にある東葛看護専門学校は、町工場や農業などの仕事や生活を体験する「地域フィールド」という社会体験実習に取り組んでいます。この地域フィールドで農業を選んだ看護学生が二月十六日から十八日までの三日間、千葉県船橋市で野菜を作る斎藤教子さんの家で農業を体験。十八日には県農民連青年部と交流しました。


 持ち込んだおにぎりで

 斎藤さんが受け入れたのは、一科八期生の清水絵理子さん(21)、下田愛さん(20)、宮崎あいさん(25)。三人は、玉ネギ畑の草取り、大根、ジャガイモ、里芋、ブロッコリー、ホウレン草の収穫と、出荷調整作業などを体験しました。

 「収穫作業で形が良かったり大きかったりするとうれしくて。『あ、大事に食べよう』と野菜に対する考え方が変わってきた」と話す清水さん。下田さんは「やってみて楽しかった。同じ作業を繰り返すうちに無心になれた。普段の生活ではできない体験だった」と言い、宮崎さんも「ジャガイモを一生懸命に掘っていて、疲れたーっと見上げた時はとても気持ち良かった」と述べ合います。

 体を動かし、畑で働く農作業を新鮮に感じた素直な気持ちを話しながら、共通して思ったのは「農業はとても楽しい」ということのようです。

 農作業は、毎日自宅から通いながら行いました。このため、お昼の弁当としてコンビニのオニギリを持ち込みます。

 一日目、学生たちに「オニギリの裏を見てごらん」と話しかけた教子さんは、PH調整剤、グリシンなどと書かれたラベルを一緒に見ながら、食品添加物について説明します。「いままで表示を見ていなかったとみんな驚いていた」と教子さん。「せっかくだから収穫した野菜で一緒に昼食を作ろう」と提案します。

 自分で収穫、特別おいしい

 「野菜の甘さにビックリした」「とってもおいしい」「ふだんはこんな大量に野菜を食べない」と口々に語る三人は、一緒に昼食を食べることで野菜の持つ本当のおいしさと、食べ物が体に及ぼす影響も体験します。

 「ホウレン草の赤い根がこんなにおいしいなんて知らなかった」「ゆでたジャガイモがとっても甘くてそのまま食べられる」と驚きの連続。「おいしいものをたくさん食べて、体調も良くなった」「肌と胃腸の状態が全然違う」とうれしそうに話し、なにより「自分で収穫した野菜は特別においしく感じる」と収穫の喜びを語ります。

 一月十六日には、同じ農業を選んだ七人で千葉県農民連に行き、小倉毅事務局長から農業と食料の実態、高校生の偏食や、全て輸入の材料を使ったハンバーガーのことを事前に学びました。また、農作業をしながら野菜の価格暴落や高い固定資産税の話も聞きました。

 「祖父母は農業を必死で続けていた。それで体を壊して。そこまでしてなぜ農業を続けようと思ったのか知りたくて」と話す清水さんは、「正直言って辛いところは見えていない。でも思った以上に細かい仕事があることや、野菜の値段が安くて割に合わないことがわかった」と言います。

 青年部員と和やかに交流

 交流会では斎藤さんの家に担当の先生、流山市の農家で体験していた学生、青年部員が集まり、国産牛と地鶏の肉を持ち込んでバーベキュー。学生たちは収穫した野菜を使って食材を準備しました。ここでは農業を選んだ理由や感想が出されました。

 「コンビニの話を聞きたくて。おにぎりとかに入っている添加物についてもっと調べたい」(下田さん)、「小さい頃のように土に触れ、爪の中に土とか入れてみたいと思って」(宮崎さん)、「畑と竹林が広がる景色は落ち着く。食だけでなく景観とか、多面的に支えるものだと改めて感じた」(今村さん)、「竹林をきれいにしたりトラクターに乗ったり。この三日間すごく楽しいと感じた」(安藤さん)、「辛いことばかりだと思っていたが全てが魅力的で達成感があり、あっという間だった」(八文字さん)。

 また「やっている人が楽しそうだったら、もっと体験してみようと思うのでは?。私ももっと農業をやってみたい」などの話も出され、和やかに交流しました。

(新聞「農民」2004.3.8付)
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2004年3月

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