米作 畑作 畜産農民連・畜全協が農水省交渉農民連は二月二十四日、米、畑作、畜産の三分野で農水省と交渉しました。
<米 作>米づくりの「担い手」は希望者全員を認めよ米の交渉では、(1)産地づくり交付金の大幅引き上げと、生産調整に参加した農家すべてに支給すること、(2)希望者全員を担い手として認めること、(3)生産費を償える米価を保障することなど、七項目を要請(写真〈写真はありません〉)。いま現場では、農水省の「米改革」にもとづいて「地域水田農業ビジョン」の策定が押し付けられ、「担い手」の特定や交付金をめぐって矛盾が吹き出しています。農水省は「集落で『合意』すれば、耕作面積にかかわらず、だれでも担い手」と言いますが、現場では「担い手経営安定対策」の交付金対象者の要件にそって、「担い手」のきびしい選別が進んでいます。 また、「産地づくり交付金」のうち麦や大豆については「品質基準」が設定され、災害などで等級が落ちれば交付金をもらえない事態に。交渉では、「これでは経営設計がたたない」などの批判が続出し、早急な指導と改善を求めました。 北海道当別町の農民は、「町と農協の説明で、集落の中が大混乱している。担い手をめぐって、今まで築いてきた集落の信頼関係がなくなり、農家はこれからの米づくりに大きな不安を抱いている」と訴えました。
<畑 作>FTA交渉で関税下げ、輸入枠の拡大などするな畑作の交渉では、北海道からの十人も参加。(1)FTA交渉で畑作物の関税引き下げなど行わないこと、(2)畑作物の価格水準を引き上げること、(3)砂糖、でんぷん、油、小麦粉とその加工品について原産地表示を義務付けること、(4)野菜出荷安定法を見直し、安心して生産できるようにすること、(5)小麦のコストプール方式を維持すること、(6)遺伝子組み換え表示は「使用表示」とし、すべてに表示を義務付けることを求めました。参加者は、価格下落で輪作作物ごとの価格差が広がれば輪作体系が崩れると指摘し、個別の品目ごとに価格を保障するよう求めました。特に、自給率目標を達成しているからと、小麦を安く買いたたいている実態を指摘。現在一二%の小麦の目標をさらに引き上げるよう要請しました。 小清水町で小麦、てん菜、馬鈴薯、大豆を生産する大沢稔さん(55)は、「小麦の増産は可能。問題は国の制度。農水省は国内産は需要がないと言うが、消費者や中小メーカーは欲しくても国産小麦が手に入らない。目標の引き上げと原産地表示が必要」と話しました。
<畑 作>鳥インフルエンザなどで万全な対策を要請畜産の交渉では、乳価・食肉価格の引き上げや、BSE・鳥インフルエンザ対策を要請(写真)。乳価について農水省は「一昨年はBSEもあって七十銭も上がった。今年は生産費も下がっているので乳価も下がるだろう」と回答。堆肥処理施設の税制の特例措置については「農家の要望も多いので、平成十七年まで延長する」と回答しました。 また今年十一月から関連三法が完全施行されるふん尿処理をめぐって、「コンクリートで作った堆肥施設では土壌菌による発酵熟成が進まないために発酵が不十分で、資源として活用されていない」など畜産現場からの生々しい声が噴出。飼料自給体制への支援や、土地利用型畜産の推進などともあわせて、「大規模畜産の推進ではなく、適正頭数で経営が続けられるよう、もっとトータルに政策を考えてほしい」などの意見が上がりました。 この他、ふん尿処理施設のリース事業の拡大や、FTA交渉で食料・農業を犠牲にしないこと、アメリカなどBSEの発生国からは日本と同等の安全対策が確立するまで輸入再開しないこと、などを要請しました。
(新聞「農民」2004.3.8付)
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[2004年3月]
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