旬の味
北海道岩見沢市で、鹿による被害がひどいことを聞き、現地調査をすることになった。当日は市長をはじめ農協や農業共済組合などの役員、市議会議員、農業委員など五十人あまりが顔をそろえた。この地帯は沢の沿線に農地があり、両側には山林が続いている▼現地の人の案内で被害状況を見て回った。六〜七年目のリンゴの幼木が主に被害を受けていて、幹は表皮をはぎ取られ、枝は先端からもぎ取られている。一本残さずと言っていい被害状況にあ然とする。これだけ食害されると、植え直すしかないという。苗から育て続けて、ようやくこれから収穫というときに木を切らなければならない無念さが伝わってくる▼ここは鹿の被害はなかった所。近年急に増えているのは国や道の所有する山が手入れされずに荒れ放題で、鹿の絶好のすみかになっているからだという。「手入れしないなら山林を切り倒してほしい」との言葉に切実さがにじむ。国が一次産業をないがしろにしてきたことがこんなところにも被害をもたらしている。万全な対策が必要だ。 (白)
(新聞「農民」2004.3.1付)
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[2004年3月]
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